
あれは何だったのか、いまだに分からない。
ぼくは数ヶ月前、命の危険にさらされた。舞台は山奥にある廃校。かつては活気にあふれていたこの学校も、今では人の気配がまったくない。冬の寒さが厳しいある夜、最後の閉校式を終えたぼくは、仲間たちとともに思い出を語り合うためにここに残ることにした。
外は雪がちらつく中、ぼくたちは懐中電灯の明かりを頼りに、校舎内で雑談を始めた。話題は自然と閉校の経緯や、ここでの思い出に移っていった。そんな中、古い教科書が一冊、床に落ちていることに気づいた。
好奇心からその教科書を開くと、ページには奇妙な落書きがあった。「青い影に触れてはいけない」と書かれている。周囲は一瞬静まり返り、ぼくたちはその言葉の意味を考え込んだ。すると、突然、廊下の奥から何かが動く気配がした。最初は風の音かと思ったが、次第に、何かがこちらに向かってくるような感覚がした。
「誰かいるのか?」と叫んだが、返事はなかった。まるで何かがぼくたちを試しているかのようだった。心の中に不安が広がる。仲間の一人が「行ってみよう」と言い出し、恐る恐る廊下に足を踏み入れた。ぼくたちも後を追った。
廊下の先にある教室の扉が微かに開いている。その中には、青白い光が漏れ出ていた。何かに引き寄せられるように、ぼくたちは教室に入る。そこにあったのは、青い影のようなものだった。ただの光のようにも見えたが、まるで生きているかのように揺れていた。
その瞬間、教室の扉がバタンと閉まり、ぼくたちは閉じ込められてしまった。影はじわじわと近づいてきて、仲間の一人が悲鳴を上げた。「離れろ!」と叫ぶが、誰も動けない。影が目の前まで来ると、突然、視界が暗転した。
次に気がついたとき、ぼくは廃校の外に倒れていた。周囲には誰もおらず、雪が静かに降り積もっていた。時計を見ると、夜の11時を過ぎていた。驚くべきことに、あれからの記憶はまったくなかった。何が起こったのか、全く思い出せない。
不安な気持ちで校舎に戻ると、そこには誰もいなかった。教室の扉は開いたままになっており、青い影の存在も消えていた。仲間たちのことが心配になり、急いで周囲を探したが、誰の姿も見当たらなかった。もう一度教室に戻り、教科書を探し出そうとしたが、教室の中は空っぽだった。
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