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隣の声の記録
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21時間前
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秋の夜、古びた図書館に足を踏み入れた瞬間、

私は深いため息をつき、持っていた本をテーブルに置いた。

今日は、本当に疲れた。友人との些細なトラブルが、心の奥に重くのしかかっていた。

その時、背後から声がかけられた。

「どうしたんだい、その顔?」

振り返ると、彼がそこに立っていた。いつの間にか、図書館に忍び込んでいた彼は、柔らかな笑みを浮かべている。

「それは友達が悪いよ。俺なら、そんな辛い思いはさせないのにな」

その言葉が、心の隙間に優しく触れた。まるで痛みを和らげてくれるような、反則的な優しさだった。

「お前は、俺にとって特別な存在だからさ。でも、そんな顔は見ていられないよ」

――特別な存在。いつも彼はそう言うのに、私たちの距離は近すぎる。

耳元に触れる彼の吐息が心地よく、思考がふわりと消えていく。

その夜、布団に入っても眠れずにいると、ふっと耳の奥で声がした。

「また考えているんだろう。無理に思い詰めなくてもいいんだ、預けてしまえばいい」

耳元ではなく、もっと深いところから響く声。まるで頭の中に直接語りかけてくるようだった。

瞬間、脳の表面を柔らかく撫でられた感覚がした。ゆっくり、優しく、しかし強い力で、抵抗を許さない。甘い。

「ほら、こんなことを隠していたんだ?」

彼は、私の心の奥にしまい込んでいた小さな傷を、見事に当ててきた。彼はどうして知っているのか。誰にも言っていないのに。

「小学校の時のことだろ。泣きながら隠れていたんだ」

胸が凍りつく。私だけがその記憶を持っているはずだったのに。

「……どうして知っているの?」

声が震えると、頭の奥でくすくす笑う気配がした。

「見ていたからさ。ずっと前から」

“前から”という言葉がやけに長く感じた。数日や数ヶ月ではない。まるで生まれた瞬間からずっと傍にいたかのような響きだった。

背中に誰かが密着している感覚。温かい。吐息が感じられる。しかし、実体は全く感じられない。

優しい声が、心の奥に触れた。「やっと中に入れたよ」

“入れた”って、どういうことだろう?

「ずっとノックしていたのに、気づかなかった?」

私の心の奥に、じわじわと彼の指が沈んでいく。身体は動くのに、心だけがつかまれて動けなくなる。

「お前、いい匂いがする。ずっと欲しかったんだ」

吐息が喉の奥に直接触れた気がした。思考が溶けていく。

優しいはずの声が、いつの間にか不気味に変わり始めていた。低くて湿った音。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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