
異世界の存在を信じるか?
例えば、剣と魔法で魔物を討つファンタジーの世界、あるいは銃火器が飛び交う戦争のさなか、異能の能力者たちが横行するサイエンスフィクションの世界、そして、邪悪な悪魔たちが暗躍する絶望に満ちた世界…。そんな現実には存在しないと思っていた世界が、本当にあるのだろうか。
俺は現実主義者だ。警察で捜査官をやっていなければ、こんなことを考えることもなかっただろう。しかし最近、変わった噂を耳にした。『漂流者』。異世界からこの世界に流れ着いた者たちがいるというのだ。毎年、500人もの身元不明者が発見されるこの国で、果たして本当に異世界から来た者がいるのだろうか?
そんな疑念を持っていた矢先、街中で一人の少女が保護された。彼女は豪華なドレスをまとい、華やかな杖を持っていた。彼女が発する言葉は、俺たちには理解できないものだった。「ここはどこじゃ?」「早く城に帰りたいのじゃ」と繰り返す彼女の姿に、最初はコスプレしたただの少女だと思ったが、彼女は警察署の特別保護室に収容された。
俺は彼女に事情聴取を行うことになった。
「君の名前は?」
「アルテミシアじゃ! 魔法王国カインハートの王女にして、偉大な魔術師の末裔じゃ!」
彼女の話を聞くと、その王国は魔族に襲われているという。彼女はビジョンから現れる魔物を倒し、国を守る使命を帯びていると主張した。俺はその話を聞きながら、彼女がただの妄想を抱いた少女であることを確信していた。しかし、彼女の言葉には何か不思議な真実が潜んでいるように感じた。
彼女の持つ杖は、異常なほど精巧な作りで、ただのコスプレ用ではないと感じた。さらに、彼女が日本の常識を全く知らないことも気になった。もしや、彼女は本当に異世界から来たのか?
事情聴取は進むが、彼女の言葉は常に非現実的だった。「魔物を倒すために魔法を使う」と繰り返す彼女に、俺は徐々に不安を覚え始めた。
その後、彼女は魔法を見せてくれると言い、指定された広い場所に移動した。だが、彼女の呪文が何も起こさなかったとき、俺の中に疑念が広がった。彼女は本当に魔法を使っていたのだろうか、いや、ただの遊びだったのではないか。
彼女は「賢者の石」を取り出し、それが杖の力の源だと言ったが、それは単なる電池だった。俺は彼女に言った。「これは電池で、魔法ではない。」彼女はその現実を受け入れられず、涙を流した。彼女のアイデンティティは崩れ去ろうとしていた。
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