
長編
青いドレスを着た人形
JRU 3日前
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ゆっくり、ゆっくり……。
ついに私の足元へと来たかと思うと、私の体をよじ登り、そのまま顔の方へと這ってきました。
ゆっくり、ゆっくり……。
そうしてとうとう喉元へと来た時、人形は激しくガタガタ震えだします。
私は終始心の中で、やめて!来ないで!助けて!と叫んでいたのですが、そこで金縛りが解けたのか「やめて!」と大きな声を出す事が出来ました。
そこでパッと電気がつき、私は飛び起きました。もうすでに人形の姿はなく線香の臭いもしていません。
良かったと、汗ぐっしょりの額を手でぬぐい、深呼吸しようとしたその時、私は猛烈な吐き気に襲われました。
急いで洗面所に駆け込み吐き出したものを見て愕然としました。
私が吐いたのは、あの人形がかぶっていた青い帽子だったのです。
悲鳴をあげ、私は何かの気配に気付きました。そろそろと視線をずらし、目の前の鏡を見てみると、
そこには顔が半分焼きただれた女の顔がありました。肉がただれ、骨が見えている女の顔。その表情は死ぬ間際のような悶絶したものでした。
私はそこで意識を失いました。
取り憑かれたようにその後、キッチンを荒らしたと次の日母が教えてくれましたが、私はなにも覚えていません。
後日談:
- その後、何ヶ月かした頃に町で偶然バイトの子と再会しましたが、おかしなことに人形の事は彼女の記憶にはないのです。
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- 統合失調症ではないかと思いました。名無し
- 久々にガクブル‼本当に怖かった。今は無事のようで安心しました(^_^)匿名