
最近、俺はVtuberに夢中になっている。
配信サイトで活動する彼らは、アニメのキャラクターのような姿をしていて、見た目も声も個性的だ。中でも、俺が特にハマっているのは、あまり知られていない新人の配信者だ。
彼女は十人ほどの視聴者しかいないマイナーな存在で、活動を始めてからまだ一年も経っていない。彼女の見た目は可愛らしく、声も甘く、どこにでもいるようなキャラクターに見える。
しかし、彼女の配信内容が独特だ。リスナーとの雑談配信を行う彼女は、オカルトに関する話題ばかりを提供している。普通のVtuberなら、旅行の思い出や日常の出来事を語るところ、彼女は「アパートで足のない男の子を見た」とか「踏切で顔のただれた女に出会った」など、恐ろしい話を日常的に語るのだ。
彼女の話し方は、まるで何でもない日常の出来事のようだ。「あのアパートに足のない子、またいたよ。成仏できないみたいだけど、今日は機嫌が良さそうだった。」
最初は興味本位で観ていたが、次第に彼女の魅力に引き込まれ、配信があるたびに必ず視聴するようになった。彼女の配信が、最近は俺の唯一の癒しの時間になっていた。
俺は彼女を応援したいと思い、スパチャを送ることにした。スパチャとは、特別なメッセージをお金で送ることができる機能だ。彼女は毎回、俺が送ったコメントに感謝してくれた。それが嬉しくて、俺は毎回高額なスパチャを送るようになった。独り身の俺にとって、彼女の存在は心の支えだった。
配信はほぼ毎日行われていたが、最近、彼女の体調が悪そうで配信が減ってきた。たまに配信があっても、明らかにいつもとは違う様子で、息切れや頭を押さえる仕草が目立つようになった。他の視聴者も心配してコメントするが、彼女は「大丈夫」と言うものの、その声には力がなかった。
心配になった俺は、「体調が悪いなら無理しないでください」とスパチャを送った。すると、彼女は少し黙ってから、「実は、これ病気じゃないんです。霊のせいなんです」と告白した。彼女は恐怖を隠せずにいた。
「私に取り憑いている霊は、リスナーさんに憑いている強い霊です。その方は危険な状態です。」
俺はその言葉に凍りついた。彼女が言うリスナーとは、まさか俺のことか?
「その人は強い恨みを持っています。あなたに何か心当たりがあるはずです。」
後日談:
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