
これは私が生まれる前の話。
私の母が体験した話です。
私の母は結婚して、生まれたМ県を離れS県に嫁いできました。
盆と正月には毎年父と里帰りをしていたそうです。
S県からМ県までは高速を使っても5時間以上はかかるほど離れていました。
もともと母は車など乗り物に乗ると酔ってしまう人で、長旅となると必ず酔い止めを飲んでいました。
その日もいつものように酔い止めを飲み、睡魔に襲われ小一時間ほどで眠りについたそうです。
S県からМ県に向かう途中、調度中間あたりに何個も続くトンネルエリアがありました。
恐怖の体験は、そのトンネル内で起こったそうです。
何個も続くトンネル。眠っていたため何個目のトンネルだったかはわからなかったそうなのですが、眠っていたのに何だか見られているような気配を感じ目が冷めたそうです。
寝ぼけた頭で周りを見渡していた母。
助手席からサイドミラーを除いても何もなく。隣で運転している父を見ても運転に集中している。
でも今だに視線を感じる。
何だか冷や汗が出てきたと話していました。
それからなんとなく視線を下げた所、右側にかすかに顔のようなモノが見えたそうです。
そして視線をゆっくりと右に動かすと目が一点で釘付けになったそうです。
運転席と助手席の間、わずかな隙間にジッと母を恨めしそうに見ている男の人の生首があったそうです。
目は目玉が飛び出るかと思うほどに見開き、髪は短いながらも酷く乱れていたその男は母と目が合うと少し嬉しそうに笑ったかのようだったと言います。
あまりの恐怖に声も出せず隣にいる父にも手を伸ばし助けを求めることもできない。
ましてや、その顔が近づいてこないかと視線を外すこともできず。ただただ見ているしかなかったと言います。
しばらくしてトンネルを抜けるとスッとその生首は消えたそうです。
ほんの数秒だったかもしれないその時間は母に取っては途方もなく長い時間に感じたと言います。
トンネルエリアを抜け、サービスエリアに停まった時に父にも話したそうですが、「寝ぼけていたんだろう」と信じてもらえなかったそうです。
私はドライブが大好きで、よく色んなところを走って回っています。
霊感のある母を持つ私にもいつか見えてしまうかもしれないと不安を感じる今日このごろです。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



