
これは、私が高校生の時の出来事だ。
田舎の家で、小さなオカメインコを飼っていた。名前は「ひな」。元気に飛び回る姿が可愛くて、毎日が楽しかった。
しかし、ひなはある秋の夕方に急に弱ってしまった。祖母が気づいた時には、呼吸が荒く、止まり木に立つこともできなくなっていた。
その日は、私も学校から帰ると、祖母が不安そうな顔をしていた。ひなはもう長く生きられないと感じたのだろう。祖母は昔から鳥を飼っていたから、ひなの状態を一目で察知したようだった。
「ひなが危ない」とのメッセージを受け、急いで帰宅した。ひなはその時、私の手のひらの中で静かに鳴いていた。
私はひなに好きな種を与えたが、食べることができず、ただ口の中でこぼれ落ちるばかりだった。その瞬間、涙がこぼれた。「ひな、頑張って」と心の中で叫んだ。
祖母が帰宅し、ひなの様子を見守っていた。その時、ひなの表情が一瞬和らいだように見えた。「みんなが帰ってきた…」と感じたのだろうか。
ひなは最後の力を振り絞るように、祖母の指に止まり、少しだけ種を食べようとした。しかし、そのまま力尽きてしまった。
家族全員が見守る中、ひなは静かに旅立った。その後、祖母の庭にひなのための小さな墓を作り、花を飾った。祖母はいつもそうやって送り出していた。
それから数日後の秋の夜、家の中は静まり返っていた。ふと、外から小鳥のさえずりが聞こえてきた。ひなの声だと確信し、網戸を開けた。すると、その音はピタリと止まった。
「ひな、ありがとう」と囁くと、心の奥で何かが通じた気がした。それ以来、時折その音を思い出すことがある。ひなが私を見守っているのかもしれない。そんなお話です。今、また思い出したので投稿しました。
追記
時折、ひらひらとした羽音が聞こえることがあります。それは、ひなが私のそばにいる証拠だと信じている。今日も、きっとどこかで飛び回っているだろう。
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