
短編
ザクロさん
匿名 2日前
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真夜中、部屋の明かりを消して蝋燭を持ち鏡に向かって「ザクロさん」と呼びかけると、顔面がザクロのように潰れた顔の女が現れる・・
そんなこわい話を子供の頃に聞き、友達の中で広めあっていた。
友達の中には、
「本当にザクロさんが現れた。」
「顔が血だらけだった。」
などの話をする人もいて、私たちは盛り上がっていた。
・・
そんな私も大人になり、都会で就職した私は一人暮らしをしていた。
ある夜のこと。
ザクロさんを試してみたくなり、お風呂場の前の洗面所で私は燭台に乗せた蝋燭に火を灯すと、部屋の灯りを消した。
鏡を見ると私の顔や後ろのドアや壁が蝋燭の薄い光に照らされて不気味な雰囲気を醸し出していた。
そして、私は燭台を手に持ち
「ザクロさん」
と言って鏡を見ると、そこには何も変わったことはなかった。
「なーんだ。」と思いながら、電気をつけようと燭台を洗面台に置くと、鏡の右端に赤い顔が見えた。
私はパニックになりながら電気をつけた。
おそるおそる鏡を見ると、やはり変わったことはなかった。
今さっき、私がみたものはなんだったのか。
思い出して見ても、明らかに私の顔ではないし、赤く見えたのは血だらけだからではないかと思ってしまったり。
それ以来、ザクロさんをためすことは二度となかった。
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