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長編

人面猫

しる 3日前
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また現れた。 その日は姉が友達の家に泊まりに行っていた。 俺は二階の子供部屋代わりの部屋で一人ゴロゴロしながら漫画を読んでいた。 ふと、外から誰かに呼ばれた気がして、ベランダに出ようとしたその時 そのベランダの手すりに、あの人面猫がいた。 「うわっ!」 思わず声を上げて部屋に戻る。 急いで戸を閉めてガラス越しに人面猫を観察してみたが、本当にキモかった。 首から下は普通の猫だと思っていたが、よく見ると前足は人間の手、後ろ足は人間の足になっている。 そして不思議なことに首輪をつけていた。 よくある、赤い紐に小さい鈴がついたやつ。 その首輪を境に毛がなくなり、人間の顔になっている。 その人面猫が、俺に向かって 『あめめめめめめめめめめめめめめ』 と甲高い声で叫び始めた。 そこで俺の記憶は途切れた。 気がつくと俺は居間で寝かされていた。 母が近くで団扇を仰いでくれていた。 俺は母が二階に洗濯物を仕舞いに来るまで、ずっと倒れていたらしい。 今でいう熱中症みたいな症状があったが、ポカリを飲んで夕飯を食べたらすぐ元気になった。 その日の夜、いつもは一緒に寝ている姉がいないのが不安だったが、俺は一人で眠りについた。 が、眠りについてしばらくしてから、急に身体が重くなった。 まさか…と思い目を開けようとしたが、思いとどまった。 目を開けたらやばい。見たらやばい。 本能的にそう思った。 『あめ…あめ…あめめ…』 小さい声でそう言っているのが聞こえる。 俺は心の中で必死になって母を呼んだ。 母さん、助けて、母さん、怖いよ その時間は果てしなく長く感じたが、やがて身体の重みがスッとなくなった。 ゆっくり目を開けると…もういない。 「よかった…」 ほっとして起き上がった時。 『あめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ』 天井から甲高い声。 見上げると、人面猫が天井に張り付いて俺を睨んでいた。 「うわああああああ」 俺は叫んでまた意識を失った。 「あんた、昨夜うなされてたでしょ。お姉ちゃんがいないから怖い夢でも見たの?」 母に半笑いで言われた。 俺は自分が見たものをなんとかして説明しなきゃと思ったが、なぜか言葉にできなくて結局母に言えなかった。 その後、新居が完成すると俺達はすぐに引っ越し、引っ越しが終わると祖父の家はすぐに取り壊された。 あれが何だったのか今

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  • 感動の再会を果たさなかったのか
    たか
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