
冬の昼、図書室で静かに本を読むのが好きな叔母は、ふとした瞬間に奇妙な影に気づいた。彼女のクラスメイトであるRが、他の生徒と談笑している横に、4〜5歳くらいの男の子が立っているのだ。その男の子は、Rの後ろにじっと佇んでいる。
授業中も、昼休みも、男の子はRの後ろで静かにしていた。周囲の誰もがその存在に気づかず、叔母だけがその影を見ていた。彼女は「霊感体質」と呼ばれる特異な感覚を持っていた。
次の日、Rが少し顔色を悪くしていた。叔母は心配になり、「どうしたの?」と尋ねた。するとRは、「実は、最近、首が痛くて……特に昨日からひどくなったんだ」と答えた。彼女は男の子をちらと見ると、男の子はRの背中を羨ましそうに見つめていた。
さらに翌日、Rは学校に遅れてやってきた。彼女の首は赤く腫れていたが、病院での検査では異常が見当たらなかった。「心当たりは?」と叔母が尋ねると、Rは少し考え込み、ついに言った。「二日前、道端に置かれた花束を見かけて、無意識に蹴飛ばしちゃったかも。そこには小さな男の子の写真が飾ってあったんだ。」
Rはその後、男の子のことが心配になり、彼のために謝りに行くと決めた。叔母も一緒にその場所へ向かうと、確かに花束が置かれていた。彼女は周囲を見回し、男の子の写真の前で手を合わせて謝った。
その帰り道、叔母は草むらに転がる古びたおもちゃを見つけた。それはRが蹴飛ばした時に飛んでいったものであろう。彼女はおもちゃを花束の脇に戻し、小さな男の子に向かって謝罪を口にした。
次の日、Rの首は元通りになり、男の子の影も消えていた。叔母は静かにその出来事を思い返し、彼女自身の感覚に感謝した。時に、見えない存在が私たちに何かを訴えかけているのかもしれないと、ふと思った。彼女の心には、男の子の笑顔が残っていた。彼の存在が、この世界のどこかに生き続けていることを願いながら。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



