
中編
メリークリスマス!
匿名 3時間前
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込んだ。
ざらついた感触だった。
手を引き抜いて目を開けてると、白い砂のようなものが袖や腕にまとわりついていた。
(底のほうに入っているのかな?)
今度は肘まで深く突っ込んだ。しかし砂のようなものしか感触は得られない。
何度も何度も手を入れた。その度白い砂は飛び散った。
そのとき「ただいまー」と半休を取った母親が帰ってきた。
未来君のお母さんは壺を見て、図工で使う何かだと思ったのだろう「なあに、それ?」と笑っていた。
しかし、未来君が説明しようとする数瞬で笑顔は消えた。
「あんた!これどこから拾ってきたの!!」
今までに聞いたことない怒鳴り方だった。
いつもの、厳しいけど優しいお母さんの顔はどこにもなかった。
「え、え・・・」
未来君のお母さんは狂ったように娘の袖を、腕を払った。
母親の異様な取り乱し方に未来君は怯え、何も喋れなかった。
「あんたこれ骨よ!骨壷よ!」
人を焼いた後の骨よ、そう叫ぶお母さんを未来君は放心して見つめていた。すでに部屋のあちこちに白い砂は散らばっていた。
だからクリスマスが嫌い、そう未来君が言うのも納得できる。
「この時期になると、いまだに夢に見ちゃうのよ。グチャグチャになったおじさんが右腕にすがりついてくる夢を」
後日談:
- もうすぐクリスマス。 そんな季節にあったお話です。
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- こ、骨壺!?まじか......。怖いな。りこ
- え?男?女??集中できん呑気
- お嬢ちゃんに君付け?菜々氏
- サンタさんじゃなくて、なくなった人!Σ(゚д゚lll)ブルー