
中編
事故物件
الاكتيق 2015年3月13日
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もう10年前にになるが、私は事情があり一人暮らしをせざるを得なくなったので、
7歳になる猫と一緒に暮らせるマンションを探したのだが、
ペット可のマンションは大抵犬がOKという意味らしく、猫OKという物件は見当たらなかった。
そんな中、ここも基本的には猫NGだが、
外に出さないならいい、と言ってくれた物件があり、即入居を決めた。
うちの子は外が大嫌いで、出ようとしても出ない猫だったので好都合だった。
築年数はかなりで昭和後半の建物だが、
部屋はリノベーションされていてそこそこ広く快適で、かなり気に入って住んでいた。
住みはじめて2年たった頃、猫が亡くなってしまった。
仕方のないことだが、二人で暮らしてきた家族だったので私は病み、鬱状態になり仕事も休んで引きこもっていた。
毎日ろくにご飯も食べず、死んだ猫の名前を呼んで泣いていると、ある晩のこと、
天井の端のほうからパシンパシン!と乾いた音がし始めた。
泣いていた私は、上の人がうるさいなぁくらいしか思わず、泣き続けていると
壁からドンドンと音がする。
多分おかしくなっていた私は、これも無視してベッドで泣いていると
カチャン、カチャン、カチャカチャとテレビのあたりから音がし始めた。
さすがにおかしいと思い、視線をテレビのほうに向けると
ビデオデッキの電源がひとりでについたり消えたりしていた。。。
これで我に返り、泣くのを止めてビデオデッキのコンセントを抜いて
ベッドに潜り込んでね逃げした。
翌日目を覚ましてお水を飲もうと冷蔵庫を開けると、何かおかしい。
冷蔵庫が20センチほど前進しているではないか!
沸き上がる恐怖を無視するかのように自力で冷蔵庫を押し込み
ドアを開けてトイレに行こうとすると。。。
トイレの隣に設置してある洗濯機の前、
短い廊下の真ん中に洗濯粉石鹸がぶちまけてあった!
洗濯粉石鹸は落ちない場所に置いてあったので、これには驚いたが
ここでも私は恐怖に蓋して無視を決め込んだ。
そんなことがあってからしばらくして
夕方から仕事だった私が惰眠を貪っていた午前中に、警察車両、または消防車が
立て続けに至近距離で止まることがあり
さすがに無視できなくなってベランダに出ると
パトカーから「6階の方、部屋に戻って下さい」とメガホンで指示されてしまった。
合計6台の警察車両に囲まれ、侵入禁止の黄色いテープが張られ
一体何が起きているのかわからないまま
午後、静かになった気配で下に降りてみると、エレベーターから悪臭が。。。
1階に降りるとおびただしいハエ!
そう、1階に一つしかない部屋で暮らしていた女性が亡くなって3週間たってから見つかったそうだ。
パスタという名の犬を飼っていた人。
会ったこともあった。
当時付き合っていた彼が今までそんなこと言わなかったのに、
あの1階の部屋、いややなぁと突然言ったのは、もう亡くなっている時だった。
その件があって、マンションの住民はかなりの数が引っ越していったけれど、
私は他人事ではないな、などと思いながら住み続けていたが、、、
そんなある日、そのマンションの1階でカフェをしていた知り合いが別な場所でバーを始めたので飲みに行くと
カウンターでたまたま居合わせた女性とよもやま話になった。
彼女曰く、最近引っ越してきたが金縛りに合うし、目を開けたら犬が私の上に覆い被さってきて怖くて仕方がない、ということだった。
ちなみにどこら辺に住んでいるのか訪ねると。。。
私の住むマンションの4階だった!
その直後、私は体調を崩し倒れてしまい、
検査結果はあと30ヶ月のガンと言われて
その部屋は引き払い半年入院して、移植して、今は元気と言えないまでも
医者に言われた余命は越えている。
ただ、最近また一人で暮らさなくてはならなくなったので部屋探しをしたら。。。
例のマンションは事故物件にはなっているが
私が知っているのは2009年に女性が病死
でも事故物件サイトに載っている記載は
2011年に男性が病死
あのあと半年して男性が入居したのは知ってるけど。。。
うすら寒い思いをしてます。
あまり面白くないかもしれませんが、事実のみです。
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