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すれ違った親子連れ
中編

すれ違った親子連れ

はははは 2015年6月1日
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多少長文のうえ駄文です。 暇な方だけお読み下さい! まず最初に断っておきますが、この話しは心霊うんぬんの話しではありませんので、そのむきの話しを期待してる方もスルーして下さい。 今から話す事は、私自身が友人と実際に体験した実話です。 前置きが長くなりましたが、それでは本文にいきたいと思います。 あれは今から20数年前の日曜日の事でした。 私は友人と二人で、地元では結構有名な景観の良いビュースポットに出かけました。 そこは断崖絶壁の、3百メートルはあろうかという巨岩がそびえ立ち、市内を一望出来るプチ観光名所になっていました。 秋の日の午後3時頃、私と友人は山道を車でのぼり、駐車場に到着しました。 駐車場からその巨岩の頂上までは車では行けず、歩いて行かなければなりませんでした。 やっとの思いで頂上に着いた私達は、天気も良かった事もあり、その素晴らしい景色を堪能しました。 とりとめのない話しをして、気がつけばもうあたりは薄暗くなっていました。 徐々に気温も下がってきて、十分に景色を楽しんだ私達は帰路につくため、駐車場までの道を急ぎました。 もう私達の他には誰も居ず、少し薄気味悪かったのを今でも覚えています。 どれくらい歩いたでしょうか。 駐車場までの下り坂を歩いていた私達の前方約50メートル先に、登ってくる二人連れの姿を確認しました。 こんな薄暗くなってから景色を見に行くのだろうか? などと考えながらも、私達は先を急ぎました。 良く見るとその二人連れは、母親と娘のようでした。 すれ違いざまに、「これからですか?」とか、「もう暗くて何も見えませんよ」とか、一言二言話しかけましたが、その親子連れから返事が帰ってくる事はありませんでした。 振り返ると、親子連れはなおもどんどん登っていきます。 さほど気にする事もなく、私達は駐車場に到着し帰路につきました。 次の日の早朝、私はけたたましく鳴る電話の音で目がさめました。 電話に出てみると、昨日あの巨岩に一緒に行った友人からでした。 友人はただ、 「新聞みたか? 新聞みたか? 新聞みろ!」 と繰り返すだけです。 その声は心なしか少し震えているようでした。 友人のただならぬ様子に、新聞を捲った私の目に飛び込んできたのは、 「母親と娘か!? 飛び降り自殺」 という見出しでした。 時間と場所からして、昨日私達がすれ違ったあの親子連れに間違いありませんでした。 そうです、私達が昨日あの場所ですれ違った親子連れは、自らの命を断とうとあの巨岩に行ったのです。 あの親子連れに何があったのか、今となっては知るよしもありません。 私達が駐車場に着いた時、かすかに聞こえた叫び声は、あの二人の断末魔の声だったのでしょうか!? 今はただ、あの親子連れの冥福を祈るばかりです。

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