
中編
インターホン
匿名 2015年1月28日
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この話は、私が高校3年生の真冬の頃の話です。
いろいろ事情があり、学校を休んだある日の事です。
母と住んでるのですが、母は残業で夜中まで仕事で、家事などは私がしました。
家事を終え、母を待ちながらテレビを見ていた時、その時は10時をまわっていたのに、
『ピンポーン』
と、インターホンがなりました。
私はインターホンのカメラで誰なのかを確認しようと思い、カメラを見たけど誰もいませんでした。
私「…? ピンポンダッシュとかかな?」
と思い、ほっておきました。
ですが、また
『ピンポーン』
となったので一応確認しました。
けど、また誰もいませんでした。
念のため、外にでて確認しようと思い、外にでました。
こんな時間にあまり外に出たくありませんでした。
なぜなら、私の家の前にはお墓が並び立ってあるからです。
私「嫌やなぁ…。本当に。誰なんよ。」
と、ちょっと怒り気味に呟いた時でした。
ギィィィィィィ… ギィィィィィィ…。
という、錆びた自転車をこいでるような音がしたので、即振り向かえったのですが、回りには何もありませんでした。
私は怖くなり家に入って、テレビ(面白い番組)を見ようと思いリビングに入ると、また
『ピンポーン』
私は無視をしました。
ですが、
『ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン』
流石に私も怖すぎて、カメラを見ることができませんでした。
鳴りやまないインターホンの音に気が遠くなり、私は意識を失いました。
気がつくと、私はお葬式をしていました。
どうやら夢みていたようです。
誰のお葬式かと思い遺影を見ました。
それは、中学2年の時に交通事故で亡くなった従姉妹のN子でした。
ある日、N子と私はお買い物をしに近くのデパートまで自転車で行きました。
帰り、雨が降ったので念のため持ってきていた傘をさして帰りました。
その時でした。
N子の自転車が水溜まりでスリップし、道路へと転げおちたのです。
私はとっさに助けようと自転車を投げ出し、N子に近づいた瞬間――
ブーーーーーーー!!! ドスッ。
N子は亡くなりました。
真冬の時でした。
真冬…。
そうです。インターホンが鳴りやまなかったあの恐怖の日は、N子の命日だったのです。
すっかり私は日々の生活に疲れ、N子の事を忘れかけていました。
しかし、私はこの事件の全てを思い出しました。
錆びた自転車、雨に濡れて放置すると、こぐ時『ギィィィィィィ…』という音がでますよね?
私はN子になんて謝ればいいのか、全くわかりませんでした。
夢から覚めました。
そして私は病院にいました。
母が隣にいました。すごくほっとしました。
母もほっとしたような顔で、私の頬をなでました。
私は即、
私「お母さん、昨日N子の命日。N子の家行かせて。」
母「○○(私)…、そうやな。そうしようか。」
病院を出て、そのままN子の家に向かいました。
『ピンポーン』
私「……。」
ガチャ
N母「あら○○(私)… さ、入って。」
私「おじゃまします。」
私はN子の仏壇の前に座り、手を合わせました。
チィィーーーン…
私「…(ごめんな… 昨日気づかんくて…。うちの家のインターホン押したの、N子やってんやな。安心したわ。…また来るわな。絶対もう、N子の事忘れへんからな。じゃ バイバイ。)」
私はN子の遺影を見つめていました。
N子は根から優しい子でした。
いつもその優しさに包まれていました。
母が帰ろうと言ったので帰ろうとした時、もう一度N子の遺影を、と思いチラッと仏壇をみた時、N子の声がきこえたのです。
『アリガトウ。』
と、あの優しい声で私の耳元で囁いてくれました。
私は
私「うん。こちらこそね。」
と返事をし、N子の家をでました。
あれから4年たった今も、N子との思い出を大切に記憶に残っています。
長文読んでいただきありがとうございました。
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