本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

怖音

匿名 2022年6月25日
怖い 212
怖くない 49
chat_bubble 0
12,570 views
大学生1年生の頃の話。 初めての一人暮らし。 ボロい平屋のアパート。狭い部屋だが小さな庭もある、家賃も安い!!! 庭には塀もなく道路を挟んだ向かい側には比較的大きな家が立ち並び、日当たりも悪い。部屋の中も丸見えだ。 それでも一国一城になった事には変わりなく、万能感と、これから来るであろう明るい未来に胸躍らせていた。 その一国一城の貧乏城主が最初に買ったのは、 ペラペラのカーテンだった。 流石に中が丸見えは嫌だったしね笑 そのせいで一時食パンのみで生活してたのも 今では良い思い出。 そんなこんなで楽しい毎日を過ごし、数ヶ月か経った。 この頃俺は凄く気になっていた事が1つあった。 毎晩時間はバラバラなんだけど、 「ガチャ、ガチャ、ガチャ」 「ガチャ、ガチャ、ガチャ」 と玄関の鍵だと思うんだけど、道路を挟んだ向かいの家から音がするんだよね。 まあ、それだけなら戸締りしてるんだな。と普通は思うんだけど、それが異様に長いのよ。。。 5分位かな? 流石にそれだけ長いと嫌でも気になるし、少し怖いんだよね。 どんな人が住んでるのかと気になり、部屋の中の人影が見えないように電気を消し、カーテンの隙間から向かいを除いたりもしてみた。 ただ、不思議と姿を確認する事はできなかった。。。 ある物凄く風の強い日だった。 台風が近いという事もあり、ボロい我が家の台風対策を汗だくでしていると、近所のおばちゃんからおにぎりを貰った。 こういうのは貧乏学生には非常にありがたい。 俺は、おばちゃんと談笑しながら、その流れで あの事を聞いてみた。 そうすると 「強迫性障害」という言葉を教えてくれた。 強迫性障害とは、実際にはありえない事柄や状況に対する不安感に、それが不合理と分かりながらも過度にとらわれ、その不安を解消するために一見無意味で過剰と思われるような行動を繰り返す病気とのこと。 おばちゃんに、本人が1番大変なんだろうから 苦情とかはやめてあげてね。 そっとしてあげなさい。と忠告を受け、 なるほどな。と俺は納得ができた。 俺も鍵を閉め忘れたか不安になる事も多々あったし。 ただ、おばちゃんも長く住んでるが1度も姿を見た事がないとのことだった。 (周りの目を気にしているのかな?) とか思いつつも、とりあえず原因がわかった事により深く考えなかった。 その日の夜だった。 雨風も本格的に強くなり、轟々と鳴る風の音と、 軋む家の音。 初一人暮らしの初台風。 イベント事のような妙な気分で少し浮かれており、 寝つき始めたのは深夜だったと思う。 「キィー、パタン」 「キィー、パタン」 という音がしていた。 いつものガチャガチャ音では無い為、 (ああ、台風でどっかの門が鳴ってんなー。) 位に思いつつ、再度眠りについた。。。 「キィー、パタン」 「キィー、パタン」 うるさいな!!!! と気になり起きてしまった。。。。 さっきから1時間位経っただろうか?? 台風だからしょうがないと思いつつも、 自分でこっそり閉めに行こうかと思い、 カーテンの隙間から音の方向を確認してみる。 例の家だった。。。 「キィー、パタン」 「キィー、パタン」 そこには、入口の門を開け閉めしている髪の長い女が立っていた。。。。 俺は固まってしまった。。。 「キィー、パタン」 「キィー、パタン」 その時ゆっくりそれはこちらに顔を向けて きた。。。。 (やばい!!!!!!) あまりの恐怖に身を隠す!!!! (やばい!!やばい!!やばい!!) (見られた??) (この台風の中ずっといた!?) 焦りで頭の中がぐちゃぐちゃになりながらも、 異常な状況な事位はわかる。 聞いた事がない程の自分の心音をなんとか抑えようと深呼吸をする。 (大丈夫だ。。。カーテンの隙間から見ただけだ。こっちの姿は見えてないはず。。。) その時、目の前のカーテンに女性の影が映る!!! 「うわああああああああああ!!!!」 背後に倒れ、俺は腰を抜かしてしまった。 「キィー、カリカリ、、、」 「キィー、カリカリ、、、」 窓に爪を立てている。 俺は身体を引きずりながらも反対の玄関の方へと逃げる。 すると 「ガチャ!!!ガチャ!!!ガチャ!!!」 「ガチャ!!!ガチャ!!!ガチャ!!!」 玄関の取手が激しくなる!!!! 俺、そこでわかったんだ。。。 (あの音、戸締りじゃなくて) (中に入ろうとする音だったんだ。。。) そこからの記憶はない。 翌日、俺は部屋を解約しに不動産へ行った。 急な解約の理由を聞かれ、昨日の事を説明すると 「やっぱりですか、、、、、、」 担当の人が言うには、毎回その理由で解約されるから家賃が安かったとのこと。。。 その部屋自体に問題がある訳ではないので説明義務はなかったと。。。 また、向かいの家も担当らしいのだが、 あの家の住人はだいぶ前に夜逃げして誰も住んでいないとのことだった。。。。 以来、俺は周りで音がするたびに恐怖するようになってしまった。。。。 中からなのか外からなのか。。。 それは本当に人による音なのか。。。

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.105

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

短いのに後を引く恐怖話

読み込み中...

心のどこかに残る長めの恐怖談

読み込み中...

長く尾を引く長編実話ホラー

読み込み中...
chat_bubble 0