
大学生のアルバイトをしていた頃のことです。
その日は冬の寒い夜で、ファミリーレストランで深夜シフトに入っていました。時計は午前2時を指しており、訪れる客もほとんどいないため、私は退屈を感じていました。
その時、店のドアが開き、ひとりの中年男性が入ってきました。
「いらっしゃいませ!」
私は少し寝ぼけた声で挨拶しました。こんな時間に来る客はめったにいないので、少し驚きました。厨房にいる同僚は忙しそうに料理をしていました。
男性は落ち着きがなく、視線を店内に彷徨わせていましたが、すぐにレジに歩み寄り、私の後ろをじっと見つめて言いました。
「今から俺がやることをすべて見ていろ。」
「え?」
その瞬間、彼は怒鳴り声を上げて叫びました。
「俺を試せるもんなら試してみろ!」
突然、彼はテーブルを叩きつけ、椅子を蹴り飛ばし、周囲の客は驚きで固まっていました。私は恐怖で動けず、その瞬間、厨房から同僚が飛び出してきました。
「何が起こっているんだ!?」
「この男が暴れているんです!助けてください!」
数分後、警察が到着し、男性は連行されていきました。出て行く際、彼は振り返り、ニヤリと笑いました。
「ほら、いるわけねえだろ?」
後日、警察から連絡がありました。彼は新興宗教に傾倒しており、信仰の結果、精神を病んでいたのです。
「どんなに願いをかけても叶わない。だからこそ、俺はお前を試したんだ。バチが当たるもんなら、当ててみろってな。」と。彼の言葉が頭から離れませんでした。夜の静寂の中、彼の狂気が今でも耳に残っています。
この出来事は、ただの暴力事件にとどまらず、私の心に深い影を残すことになりました。
彼の言葉は、今でも私の中で響いています。
何が本当に恐ろしいのか、考えさせられる一夜でした。
それ以降、深夜のアルバイトは、ただの仕事ではなくなりました。
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