
長編
古いビルの「4」階
匿名 4日前
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が悪くなったのですが、
せっかく来たのだからと気を取り直して、用件を説明しました。
男の人はうなずくと、カウンターの上に1枚の書類を置いて、サインするようにと、
ぼそぼそと告げました。
見ればその書類は、黒い紙に赤い文字で何やら書き付けてあるのですが、それは奇妙な文字で、意味どころか、何語なのかさえ、さっぱり分かりません。
「さあ、このペンで」と差し出されたペンにも、気味の悪い彫刻が施されていました。
そのペンは薄黄色い、何か動物の骨のようなものでできているらしいのです。
私は得体の知れない不吉なものを感じて、
手にとることをためらいました。
「さあ、早く」
と急かされて、私は当惑しながら相手の顔に視線を移しました。
すると、彼のワイシャツの襟のあたりに、黒い染みがついているのに気付きました。
目を凝らすと、彼の首には横一文字に黒い痣のような跡がつき、そのまわりには赤黒い血の固まったようなものがこびりついて、シャツの襟を汚しているのです。
ハッとして目をあげると、彼は私の顔を見て、その血の気の引いた紫色の唇をゆがめて、うっすらと笑いました。
私はゾッとして、あたふたと言い訳のような言葉を口にして、部屋を飛び出しました。
その翌日、私は昼間のうちに会社を抜け出して、恐る恐る、もう一度代理店の入っているビルへと向かいました。
階段を使って4階へ上がり、代理店の事務所に入ると、顔馴染みの担当者が私を笑顔で迎えてくれました。
私が昨日の夜の出来事を話すと、彼は怪訝そうな顔をして、「昨日は誰も残業はしていなかったはずです。もしや階数でも間違えて違う事務所に行ってしまったのでは?」
というのです。
私が「間違いなく4階でした。フロアの壁にも4って表示があったんです。」
というと、相手は「おかしいですね。このビルには4という階はないんですよ。このビルのオーナーが迷信深い人で、4は死につながるから不吉だ、というので、実際には4階でも、3階の次はいきなり5の表示になっているんです。」というのです。
一瞬、私は相手のいう言葉の意味がよく分かりませんでした。
すると相手は私を連れてエレベーターホールへ行きました。
その壁を見て、私は思わずアッと声をあげました。
そこの壁には小さく5という表示がされていたのです。
そして彼は、ちょうどその階にいたエレベーターに乗ると、開いたら扉の内側で、表示パネルを指し示しました。
なかは昨日乗ったもの
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chat_bubble コメント(3件)
- これに似たようなやつ前テレビで見たような見なかったような、、、、、、ぼんばー50
- これ前にTVでやってなかった?
- ゲゲゲの鬼太郎でも なんかこーゆーのあったな…。 3階から見たら上にあって、5階から見たら下にある異次元の階のヤツ。