
長編
櫛分け女
砂凜 4日前
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んから褒められた髪が無くなったり痛むのを気にして毎日シャンプーには時間をかけていた。
そんな生活が数ヶ月続いた。
ある日、姉が櫛を無くしたと言い出した。おばちゃんの形見でとても大切にしていたので姉は泣きながら探したが見つけることは出来なかった。
おばちゃんの一周忌で家に泊まるとことになった。
その夜、おばちゃんが寝室で使っていた部屋に久しぶりに寝ることになった。
懐かしいと思いながらも私達は寝付くことができなかった。
私は姉に「今日はなんか寝れないね」と話して「私もー」と姉も寝れなかった。
周りが寝静まった頃、不思議な音がした。私達はまだ寝れずに起きていてその音が気になった。
私も姉も布団から上半身だけ起こして首を傾げた。
姉は「なんだろう…トイレの方だね…」
私達の寝ている部屋の隣はトイレだった。私達は音が気になったトイレの方に向かった。トイレのドアを開けるとそこには鏡と水道があり、その横に昔ながらのぼっとん式とトイレがあった。でも音は水道の方から聞こえる。
姉は電気を付けると水道の排水溝の入り口に大量の髪の毛が水を遮っていた。
私はもう怖くて部屋に帰ろうと姉に言ったが姉は何か気になったようで排水溝を覗き込んでいた。
「この髪の毛、白髪だよね?」姉は私に見てという顔でこちらを見ていた。私はそんなの見たくないと断ったけど、姉が無理に見せて来た。
半泣き状態で排水溝を見ると確かに白髪が大量に詰まっていた。しかも長い。
私は真っ先におばちゃんを思い出した。おばちゃんは白髪なのに肩までかかるくらいの長さだったから印象に残っていた。
「帰ろうよ!部屋に帰ろうよ!」姉に言ったら姉もさすがに怖くなったのか部屋に戻った。
戻ったあともその音は続いた。
私達はあんな気持ち悪いものを見てさらに寝れなくなっていた。
ふと音が止まった。
姉と私は暗い中で顔を見合わせた。
トイレのドアが閉まる音がした。
私は怖くて姉の布団に隠れた。泊まっているのは私達の家族だけ。そして部屋の前を通れば足音でわかる。
足音はしていない。そして排水溝の髪の毛を思い出した。
トイレの前は私達の寝ている部屋だ。
二人で同じ布団に隠れていると襖の前で音がした。
私は姉に抱きついて、姉も私を抱きかかえていた。そこから何も音がしなくなった。
すると襖がカタカタと小さく揺れる音がする。そこにいるのがわかった。姿が見えたわけでは無いが、異常な気配が襖の向こうにいる。なぜ
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- 櫛の半分はどうなったのですか?うんこりん
- 信じられないような話ですが、本当にあった話なんですね。ぼんばー50