短編
「死にたくない……」
中学校1年の時に起きた出来事です。
当時私の中学校は1つの事故で話が持ち切りでした。
中学に上がって１～２ヶ月経った頃、当時理科の先生が交通事故に遭い亡くなられました。場所は高速道路でトラックに轢かれたそうです。当時、新聞にも載ったそうですが表では「交通事故」裏では「自殺」と言う話になっていました。自殺した理由は生徒からへの暴言でした。中学ならよくあることだと思います。あの先生が嫌だのこの先生が好きだの、よくあることです。噂ではそれがきっかけで自殺した、との事です。
理科の先生が亡くなられて1週間程経った頃でした。理科の先生が居ないので代わりの先生で授業をする事になりました。ちょうどその頃は植物の細胞についての授業をしていてビデオを数分見る内容でした。
周りの黒いカーテンを閉め、電気を消し、ビデオの映像が流れた始めたその時でした。
「死にたい……死にたい……」
私が普段思わない事を突然思い始め、頭の中では男の人の声が聞こえました。涙も出始め自分でもやばいと思い必死に男の人の声から逃げようとしました。何度も何度も「死にたい……」という言葉を被せるように「五月蝿い！黙れ！私は死にたくない！」と心の中で何度も叫びました。兎に角、格闘をしていたのです。
そしてビデオが終わったのか電気が付き、周りがやっと明るくなったと同時に例の男の人の声は、ぱったりと止みました。ですが私は震えが止まりませんでした。
感情を乗っ取られる事は初めてなのでとても怖かったです…。
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後日談：
- 数日後、有名な霊能者さんにお願いをしてお祓いをしてもらいました。霊能者さんの話からすると「貴女は霊感が強く人にすぐ同情します。この世に未練のある霊は優しい人に気付いてもらおうと感情を乗っ取ったり取り憑いたりします。そうならないように霊には決して同情しずに強い心を持って“あっち行け！“と思えば霊は取り憑いてきませんよ」とアドバイスをくれました。 お祓いしてからは中学校3年間何事もなく過ごすことが出来ました。
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