
短編
トンネルの顔
匿名 2日前
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高校の修学旅行での話。
修学旅行2日目、目的地からバスでホテルに戻る途中でのこと。
2日目の目的地が割と遠い場所だったことや、帰りの渋滞にはまってしまい、辺りはすっかり暗くなっていた。
バスの中は寝てる生徒も多く、かなり静かだった。
そんななか俺は外の景色を見ていた。
暗いし、バスの中の景色が反射するのでよく見えなかったが、それでも顔を近づけたりして見慣れない景色を楽しんでいた。
俺たちの泊まっているホテルは丘の上にある。
そのため、市街地からホテルに近づくにつれて坂道やトンネルが多くなっていった。
トンネルのなかは暖色系の薄いあかりがついていた。
丘の上に続く道は狭いわりに意外と混んでいて、渋滞ができて、バスが何度も停止した。
俺は「はやくつかないかな?腹減ったな。」と思っていると、バスはまたトンネルの中で止まった。しかも、なかなか動き出さない。渋滞はかなり続いているようだった。俺は暇なので、トンネルの様子をバスの窓越しにみていると、信じられないものを見つけた。
トンネルの天井に近い岩の窪み(?)から小さい女の子が顔だけ覗かせていたのだ。
「人の顔に見える模様か、何かの写真かな?」
と思ったが、やはりどう見ても女の子の顔だった。
トンネルのライトに照らされて赤っぽい黄色にみえる。
「え、なんで?」
バスが少し動き出してまた止まり、さっきのところを見るとやはり女の子の顔があった。しかもなぜかこっちをみている。
トンネルの形状や高さからいって小さい女の子が上から見下ろすなんてまず不可能だった。
俺は見てはいけないものを見たような気がした。
バスが走り出し女の子の顔は見えなくなったが、俺は「あれがなんだったのか」今でも謎だ。
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