
長編
ヒッチハイク1
匿名 2016年8月22日
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、なぜかおかしさがこみ上げてきた。
ひとしきり爆笑した後、森独特のむせ返る様な濃い匂いと、周囲が一切見えない暗闇に、現実に戻された。
変態一家から逃げたのは良いが、ここで遭難しては話にならない。
樹海じゃあるまいし、まず遭難はしないだろうが、万が一の事も頭に思い浮かんだ。
「朝まで待った方が良くないか?さっきのババァじゃないけど、熊まではいかなくとも、野犬とかいたらな…」
俺は一刻も早く下りたかったが、真っ暗闇の中をがむしゃらに進んで、さっきの川原に戻っても恐ろしいので、
腰を下ろせそうな倒れた古木に座り、休憩する事にした。一時はお互いあーだこーだと喋っていたが、
極端なストレスと疲労の為か、お互いにうつらうつらと意識が飛ぶようになってきた。
845 その9 sage New! 2009/12/24(木) 22:23:04 ID:NNdtlw3F0
ハッ、と目が覚めた。反射的に携帯を見る。午前4時。辺りはうっすらと明るくなって来ている。
横を見ると、カズヤがいない。一瞬パニックになったら、俺の真後ろにカズヤは立っていた。
「何やってるんだ?」と聞く。
「起きたか…聞こえないか?」と、木の棒を持って何かを警戒している様子だった。
「何が…」
「シッ」
かすかに遠くの方で音が聞こえた。口笛だった。ミッ○ーマ○スのマーチの。CDにも吹き込んでも良いくらいの、良く通る美音だ。
しかし、俺達にとっては恐怖の音以外の何物でもなかった。
「あの大男の…」
「だよな」
「探してるんだよ、俺らを!!」
再び、俺たちは猛ダッシュで森の中へと駆け始めた。辺りがやや明るくなったせいか、以前よりは周囲が良く見える。
躓いて転ぶ心配が減ったせいか、かなりの猛スピードで走った。
20分くらい走っただろうか。少し開けた場所に出た。今は使われていない駐車場の様だった。
街の景色が、木々越しにうっすらと見える。大分下ってこれたのだろうか。
腹が痛い、とカズヤが言い出した。我慢が出来ないらしい。古びた駐車場の隅に、古びたトイレがあった。
俺も多少もよおしてはいたのだが、大男がいつ追いついてくるかもしれないのに、個室に入る気にはなれなかった。
俺がトイレの外で目を光らせている隙に、カズヤが個室で用を足し始めた。
「紙はあるけどよ~ ガピガピで、蚊とか張り付いてるよ…うぇっ 無いよりマシだけどよ~
後日談:
- この話は私が体験したのではありません。 今まで数々の怖いお話を読ませて頂いて一番怖かったものを載せさせて頂きました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 3回位他でも見た笑さすがにわかるね(´∀`)キャラ濃いしAGE
- 女の子をやっちゃったのはあの一家って事…?まぁさ
- この話し知ってる 二度くらい読んだから もう読まない 外国のホラー映画見たいまゆ
- 凄く怖い!文章も上手。恐怖がじわじわ迫って来ました。最高でした!猫おばちゃん
- 怖すぎやろ(´;ω;`) 夜行バスの中で震えなういずみ
- いもけんぴさんマジですか!!でも本当に怖くて誰かに共感してもらいたかったんです(´×ω×`)あいか
- でも怖いですよねいもけんぴ
- それ僕も上げてるんですけど……いもけんぴ
- やばいめっちゃこわゆめか
- 怖かったです匿名