
長編
心霊スポット
匿名 2016年8月24日
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今から20年以上前の話になりますが、
当時、怖いモノ見たさでドライブがてら訪れた廃病院のお話をさせていただきます。
その病院は当時、様々な噂があり、その一つとして、其の病院の霊安室は外に出しやすい様になのか、裏手に大きく開く扉が有りました。
不思議な事に、その扉だけが出入り口というおかしな構造だったと思います。
廃墟になる前に、病院の敷地内でかくれんぼをしていた子供がいたそうで、何故か扉が開いた霊安室の中へ…。
他の子が見ていた事で、かくれんぼが終わりにならないと、みんなで扉を開け様としたそうです。
ですが、一切開かない扉。
困った子供達は大人を呼びに。
ですが大人が来ても一向に開かない扉に、警察や消防も来たそうです。
近くで見ていた子供の話だと、霊安室の中から女性が、その中に入ってしまった子を手招きしていたそうです。
結局、何も手が無いまま数時間が過ぎた時、自然と扉が開いたそうです。
大人達が中に入ると…白骨化した子供があったそうです。
そんな元病院に、友人5人と肝試しとして入った時に、一階部分はベニヤが打ち付けてある為入れずに、周りを探すと不思議な事に梯子が。
その梯子を利用して二階部分から入ると、最初はふざけながらも、何か重い空気にそれぞれが微かにビビりながら歩いていると、所々にお札が…。
そしてベットの上に正座するおばあさんが…。
私と並んで歩いていた友人(Aとします)は見たのですが、前を歩いていた友人達(B、C、Dとします)には解らない様で、そのままドンドン進んで行きます。
見えた友人と「とりあえず黙っていよう。見間違いかもしれないし」と話し、その時は何も言わず肝試し続行をとりました。
一通り周り、残すは霊安室がある階に行こうとした時に、その階には同じ階にも別の部屋がある為、内階段があり、降りようと覗き込むと、何故かドラ○もんのぬいぐるみが…。
そのぬいぐるみはこちらを向く様に上を見ているのですが、少しずつ動いている様に見えます。
友人達もそれに気付き、
B「此処から降りるのヤバいよね…」
C「外から行く?」
A「なんでドラ○もん?」
とそれぞれに意見を交わした結果、一度出る事に。
そうすると、どこからとも無く「シャキッ!シャキッ!」と何かの音が聞こえ始めました。
外に出てもその音は止まず、徐々に音は大きくなっています。
いよいよメインイベントの霊安室の前に立った時、その音はその場にいた全員が聞こえるほどに…。
その音の方向を見ると、先程まで居た病院内に灯りが…。
そしてそこで動く人影が見えました。
全員が確認した時、1人が、
C「ねぇ…この音ってハサミの音じゃない?」
B「馬鹿!ハサミの音がこんな五月蝿いくらいデカイ音になる訳無いだろ!」
そうです。
拡声器でも使用してるんじゃないか?って位に大きくなったその音は、間違い無くハサミを開いたり閉じたりする時の音そのものだったのです。
霊安室は鎖で頑丈に閉じられ、入る事も出来ず、何かが迫って来ている事を感じた私達は、急いでその場から逃げる事に。
20mほど行った所にある金網を急いで登り、隣にある公園を沿う様にある100mほどの道を猛ダッシュしていた時に、公園の中に1人の子供が…。
私が「オイ!なんで夜中の2時に子供が居るんだよ!」
B「はぁ?こんな時間にいる訳無いだろ!」
私「公園見て見てみろよ!」
A「俺も見えてんだけど!」
D「ちょっと待て!なんであのガキ縄跳びしてんだよ!」
私「いや…あんなにゆっくりと縄跳び出来る奴なんていないだろ…」
そして私達は全員が見たのです。
ゆっくりゆっくりと縄跳びを、宙を浮く様にする子供の姿を…。
そこからは誰も一言も発する事無く、一心不乱に車に走って行きました。
車に戻り即Bが発車した時に、1人乗せずに走り出すほど焦っていた事は今でも覚えています。
皆無言のまましばらく走っていると、運転していたBが突然急ブレーキ。
助手席に座っていた私は焦って、
「なんだよ!どうしたんだよ!」
B「この車って何人乗ってる!」
と訳の解らない事を叫ぶように言いました。
いつの間にか寝てた後部座席に座るA、C、Dも意味がわからず、普通に「後ろは3人」と答えました。
私も「お前含めて5人で来てんだから、何訳わかんない事言ってんだよ!」と言い終わる前に、まさかの急発進。
私「一体なんなんだよ!」
C「何がなんだかわかんないんだけど説明してよ!」
A「…」
D「Aどうした?お前何か知ってんのか?」
B「だよな!A!俺の勘違いじゃないよな?」
A「言おうとしてる事はわかる…」
10分くらい走った所でBは車を止めて話し出しました。
B「後部座席の誰かがずっと何か言ってたんだよ。上手く聞き取れないし、誰が喋ってるかわかんないからルームミラー見たらさ…」
「頭一つ多いんだよ…」
「でも目はこっち向いてんだけど、誰だかわかんない」
「ハッと気付いた時に思わず急ブレーキかけた」
A「俺は急ブレーキの前からずっとCかDが何か言ってると思ってたけど…声が後ろから聞こえてくるんだよ…」
私達の乗ってきた車は三列シート。
1番後部の席には誰もいないはずです…。
でもAにはずっと声が聞こえていて、怖くて目を閉じていたそうです。
CとDは本当に寝落ちてただけですが。
B「もしかしたら連れて来てしまったかもしれない…」
私「そんな訳無いだろ(後ろを振り返る)…」
「走れ!」
B「な、なんだよ!急に!」
私「良いから行けー!」
A「マジで行って…」
キキィィー!と急発進。
B「ナニ?ナニ?2人してなんだよ!」
A「私君から話して…」
私「乗ってた奴…後部の…ってか、車の後ろで外に立ってた」
私「俺の予想だけど…あいつ、俺らが怖がって車の外に出るの待ってたんじゃないか?」
「だからチャンスと思って『行け!』って言った」
A「同じ考えで良かった…」
B「マジか…」
ここでCが運転を変わる。
C「今日は本当に怖かったね…」
私「だね…」
私「違う話しにしない?」
と、全く関係無い話しを前列でしていると、後ろが静かな事に気付き後ろに目をやると、3人共寝てる。
私「無事置いて来れたみたいだな」
と前を向いたら、何故かスピードを上げるC。
私「なんだよ!寝かしてやれよ(笑)」
Cに目をやると、意識が飛んだCが…。
電柱に突っ込もうとする車を、急ハンドルと目一杯引いたサイドブレーキで回避。
Cに思いっきり平手打ち。
C「なんだよ!イキナリ!」
焦って起きるA、B、D。
私「お前…わかってる?」
C「人が普通に運転してんのにイキナリ殴るか?」
私「冗談ではないよな?」
C「は? ってか…アレ?なんでこんな位置に車あるの?」
後部座席から「こんな位置って完全に歩道じゃん…」
私「どっかファミレス入ろう…」
全員一致で、少しファミレスで休む事になり、その後は普通に帰る事が出来ました。
後日談:
- 今は取り壊されています
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