
長編
廃病院
匿名 2020年5月17日
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私の父は 霊感が強い
それも 人間と幽霊の見分けがつかないほどリアルに見える
だから 怖いというより あとで気づく
亡くなった親戚や家族なら話ができる
それを色濃く継いだのが 私です
しかし 私の場合は 近いたとえなら 貞子のような デジタルで見える
明らかに人とは違う
また 日本で言葉が見当たらないが海外でいうならば 悪魔 な存在を見たりする 追いかけてきますが…結界があるのか テリトリーがあるのが
ここからでたら逃げ切れるという距離感がわかる あとは 強烈な虫の知らせ 予知なもの あとから繋がったりする
親戚なら父みたいに話せないが 夢と現実の狭間のような感じで見たりする
父は 今まで 数々の心霊体験
しかし あまり怖がらない
口癖が 幽霊より人間が怖いと言う
わたしも昔は怖かったが 年々 怖さが薄まり 人間のが 怖いなと感じます
さて そんな父 たまに ぞ~とする体験も…
昨年おきた体験を一つしてみたい
父は医療器具の問屋
機器メーカーと病院の間
メーカーは 作ることができても勝手に売れないんです 免許のある会社に委託して 病院へ流れる仕組み
また 父は 医療ベットなど組み立て 脈をはる水銀の委託 医療なら 何でもします
そして 医療破棄も免許持ってますから 病院解体なども 頼まれます
何回か頼まれてます
昨年 一件の病院取り壊しをするから 中を破棄したいと依頼され 向かったのが ある産婦人科
もう かなり前に閉じたので 中は ぼろぼろ
産婦人科であった女性の院長は かなり年をいった おばあちゃん
産婦人科は三階の建物
いうならば 死ぬ前に 片付けたいとでした
院長はかなり年をいってるので もう階段が辛いと鍵だけ渡されて 父は中を見ることに時間は まだ昼くらいです
中は カビとほこり 何年も放置のため 腐ってるとこもあり これは大変だなと思ってたそうです
まず三階にあがり 上から見て回るかと
階段を上がりはじめました
ギシギシなる階段をあがり 2階についたころ タバコの匂いが漂いはじめました
はて 誰もいない廃病院でなぜ?
そう思いながらも三階につくと 大きなドアがあり ドアは観音扉で 扉が両方開いてました
中を見ようと 顔をだすと 先ほどの タバコの匂いが強烈に漂い 父はタバコが大嫌い
臭いな~と思いながらも中を見ると
そこには 男性がたってました
40才くらいの男性は畳の上で立ち タバコを吸いながら こちらを見てます
その横には 女性が座ってます
女性は 後ろ姿 真っ黒な髪に正座をしてます
まるで その光景が 昭和の世界で異様な雰囲気を感じとりましたが あまりにも 鮮明すぎて 父は あっ すいませんと言ってでました
すぐ降りて 外にでて 院長に
人が休憩されてますが いいでしょうか?
と訪ねました
院長は びっくりな顔で
気持ち悪いこと 言わないでよ
ここを開けたのは何年ぶり
人なんているわけがない
狐に包まれたような気分なまま 再度見にあがりました
しかし さっきまで におった 強烈なタバコの においもない
不思議に思いながらも三階につくと 父は唖然としたそうです
さっき 開いていた扉は 閉まって 鍵までかけてます
すりガラスから覗くと さっきいた二人はいません
それより びっくりしたのが畳の部屋だったのに 今は 病院によくある 休憩場所のようになってました
ぞ~として 降りましたが 年老いた院長に説明するのも何だかなと思って 見間違いでしたー
と ごまかしたものの さっきのギラギラした男性の目が脳裏から離れず 腕は鳥肌が止まらなかったそうです
それから 院長の自宅へいき 話をしました
そのなかで 聞いたのが 院長の旦那さんは かなり 昔に亡くなってました
そして ヘビースモーカーで それが 死に繋がったようです
辻褄があって あれは もしや旦那さん?
それを すぐ 聞いた私の頭に浮かんだのが 父は 幽霊を見たというよりも 過去を見た?タイムトラベルとかではなく そのビル自体に残っていた残映のようなもの
座っていた女性は 院長だったのでは??
そんな風景が頭によぎりました
しかし 父は あの旦那の目が 気持ち悪かったと この依頼は 受けませんでした
なぜ 父が見たのか?たまたま 波長があったのか わかりません
聞きながらも その男性に関して 私も よいイメージが湧かないなと感じます
その後 父には影響しませんでした
しかし聞いて一週間くらい忘れた頃
私には犬がいます
早朝に散歩します この時期 冬でしたから 6時に帰宅しても まだ 真っ暗
玄関にはいり 真っ暗な中を犬の首輪を外し しゃがみ靴を脱いで 入ろうとすると 犬は首輪外されると 勝手にあがり 中にはいりますが この日は 玄関にすわり 斜め上を見上げてました
あれ?どうした?と しゃがんでる私は犬の横に目線をあげると そこには 痩せた男性がたってました
旦那がいますが 体型が違うし顔が違うし なによりも 決定的な違いは 厚みがない
まるで 映像をうつしたような感じ
驚いて 一瞬犬を見ると 犬は立ち上がり中に もう一度見ると 誰もいませんでした
なんだか 父が見た男性のような気がしました
何か訴えたいのかわかりませんが 私も その男性と目が合いましたが あの異様なギラギラした目が脳裏から離れません
もう 断ったので その縁ときれて あれから見ることはありませんでした
その後 父から もし あの依頼うけたら 私たち夫婦にやらすつもりだったそう
いやいや あなたに似て私も みえますが と つっこみました
この怖い話はどうでしたか?
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