
(「仲良し女子高生3人が行く、映画とイタリアンランチ」の続き)
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2年生英語の論理・表現Ⅱの授業では、1・3・5組からランダムに選ばれた1クラスあたり30人の4クラスで組まれていた。授業での席は決まっているが、同じクラスの生徒が散らばるようになっていた。これは普段接する機会が少ない生徒同士でクラスをつくることによってコミュニケーション能力を高める意図がある。
この授業では、シャドウイングという英会話の訓練を授業の冒頭で行っており、まず2人1組でペアを組む。
まず一方が文章を読みながら英文を朗読する。もう一方が読まれた英文を何も見ないで相手に続けて繰り返す。読み終えたら交代するというものだ。
シャドウイングで読む題材は毎月の初めに変わる。
ペアを誰と組むかは生徒の任意だが、毎回違うペアと組まなければいけないというルールがあった。
そのため、必然的に知らない相手に話しかけてペアを組むという場面が発生する。
このようにして、話したことのない人と話すきっかけができることもシャドウイングの楽しみのひとつでもある。
10月に1週間くらい経ったある日のこと。
桜子は知らない男子生徒とペアになった。何の変哲もない男子生徒とペアを組んだことが、運命的な出会いの始まりであることを2人はまだ知る由がなかった。
桜子がこの男子生徒とペアを組んだとき、2人とも相手のことは顔も名前も知らなかった。
男子生徒は桜子を見て、なかなか可愛い子だなと感じたが、それ以上は特に何も思わなかった。
シャドウイングでは、まず男子が文章を読み桜子が後に続けた。読み終えると、今度は桜子の番である。
桜子は何も見ずに文章を朗読し始めた。
男子生徒は桜子の様子に驚きながらも、桜子のあとに続けた。
そして、シャドウイングが終わったあと男子生徒は
「もしかして、すごい練習してる?」
すると桜子は
「ううん。全然。」
「え?でも、何も見ずに言えてたよね?」
「うん。私ね、リズムとか音で覚えるものって得意なんだ。」
「そうなんだ!すごいな!」
男子生徒はもう少し桜子に聞きたいことがあったが、先生が席につくように指示を出したのでその通りにした。
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男子生徒は細野 博正という文系クラス2年1組の生徒だった。
博正は、シャドウイングで出会った女の子に興味を持ったが、彼女の名前は勿論、どこのクラスの子かも分からなかった。
英語の授業のあと、博正は同じクラスの友達と教室に戻るため、その女の子を追いかけて調べることはできない。
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