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しずく 2013年1月5日
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長い白目だけが妙に浮き上がっていた。 そして体当たりだと思っていたあの音は、そいつが頭を壁に打ち付けている音だと知った。 そいつの顔が、一瞬壁の隙間から消える。 外でのけぞっているんだろう。 そしてその後すぐ、ものすごい勢いで壁にぶち当たるんだ。 壁にぶち当たる瞬間も、白目をむき出しにしてるそいつから、俺は目が離せなくなった。 金縛りとは違うんだ、体ブルブル動いてたし。 ただ見たことのない光景に、目を奪われていただけなのかも知れないな。 あの勢いで頭を壁にぶつけながら、それでも淡々と喋り続けるそいつは、完全に生きた人間とはかけ離れていた。 結局、そいつは俺達が見えていなかったのか、隙間の場所でしばらく頭を打ち付けた後、さらにまた左へ左へと移動していった。 俺の頭の中で、残像が音とシンクロし、そいつが外で頭を打ち付けている姿が鮮明に想像できた。 正直なところ、そいつがどれくらいそこに居たのかを俺は全く覚えていない。 残像と現実の区別がつけられない状態だったんだ。 後から聞いた話だと、そいつがいなくなって静まりかえった後、3人ともずっと黙っていたらしい。 Aは警戒したから。 Bは恐怖のため動けなかったから。 そして俺は残像の中で延長戦が繰り広げられていたから。 そんでAが俺を光の場所へ連れていこうと腕を掴んだ時、体の硬直が半端なくて一瞬死んだと思ったらしい。 本気で死後硬直だと思ったんだって。 BはBで、恐怖で歯を食いしばりすぎて、歯茎から血を流してた。 Aだけは、やっぱり姿を見ていなかった。 あと、そいつはそこから遠ざかって行く時カラスのように「ア゛ーっア゛ー」と奇声を発していたらしい。 その声は、Aだけが聞いていたんだけど。 そいつの2度の襲来によって、その後の俺達の緊張の糸が緩むことはなかった。 ただ、神経を張り巡らせている分体がついていかなかった。 みんな首を項垂れて、目を合わすことは一切無かった。 Bは、催したものをそのまま垂れ流していたが、Aと俺はそれを何とも思わなかった。 あんなに夜が長いと思ったのは生まれて初めてだ。 憔悴しきった顔を見たのも、見せたのも、もちろん人でないものの姿を見たのも。 何もかも鮮明に覚えていて、今も忘れられない。 おんどうの隙間から光が差し込んできて、

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