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しずく 2013年1月5日
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B”うん” A”俺、叫んだらどうしよう” 俺”なにか口に突っ込んどけ” B”突っ込むものなんてないよ” A”服脱いでおくか” 俺”てか、何も起きない、そう信じよう” Bは俺の書いた言葉にはノーコメントだった。 俺も書いたあと、自分で何を言ってるんだろうと思った。 坊さんは、何も起きないとは一言も言っていなかった。 むしろ、これから何が起こるのかを予想しているような口ぶりで俺達にいくつも忠告をしたんだ。 そう考えると俺達は、一刻も早く時間が過ぎてくれることを願っている一方で、本当の本当は、夜を迎えるのがすごく怖かったんだ。 夜だけじゃない、あの時ああしてる時間も、本当は怖くてしょうがなかった。 唯一の救いが、互いの存在を目視できるということだっただけで。 俺の一言で空気が一気に重くなった。 俺はこの空気をどうにかしようと、Bの持っていた紙とペンをもらい、 俺”何か喋れ時間もったいない” と書いてAに渡した。他人任せもいいとこ。 Aは一瞬困惑したが、少し考えて書き出し、俺に渡してきた。 A”じゃあ、帰ったら何するか” 俺”いいね。俺はまずツタヤだな” B”なんでツタヤ?” 俺”DVD返すの忘れてた” A”どんだけ延泊!?” まあ嘘だった。どうにかして気を紛らわせたかったからなんでもいいやって適当に書いた。 結果、雰囲気はほんの少しだが和み、AもBもそれぞれ帰ったら何をするかを書いた。 少しずつだが、ゆっくりと俺達は静かな時間を過ごした。 そして残りの紙も少なくなった頃、Bはある言葉を紙に書いた。 B”俺は坊さんに言われたことを必ず守る。死にたくない” 俺もAも、最後の言葉を見つめてた。 俺は「死にたくない」なんて言葉、生まれてこの方本気で言ったことなんかない。 きっとAもそうだろう。 死ぬなんて考えていなかったからだ。 死を間近に感じたことがないからだ。 それを、今目の前で心の底から言うヤツがいる。 その事実がすごく衝撃的だった。 俺はBの目をしっかりと見つめ、頷いた。 その後は特に何も話さなかったが、不思議と孤独感はなかった。 お互いの存在を感じながら、俺達は日が暮れるのを感じていた。 何もせずにいると蝉の鳴き声がうるさくて

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