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リゾートバイト
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リゾートバイト

しずく 2013年1月5日
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B「おにぎりはデカイ鞄の方に入れてありますけど、給料と袋は、今持ってます」 Bはそう言ってバッグからその二つを取り出した。 坊さんは、まず巾着袋を開けた。 すると一言、「これは・・」と言って俺達に見えるように袋の口を広げた。 中を覗き込んで俺達は息を呑んだ。 そこには、大量の爪の欠片が詰まっていたんだ。 俺の足に張り付いていたものと一緒だった。見覚えのある、赤と黒ずんだものだった。 Bは、その場ですぐまた吐いた。 俺もそれに釣られて吐いた。 周辺が汚物の匂いでいっぱいになり、坊さんも顔を歪めていた。 坊さんは、Bの持ち物を全て預かると言い、俺達2人も持ち物を全て出すように言った。 俺は、携帯と財布を坊さんに手渡し、旅行鞄の方に入っている巾着袋を処分してもらえるよう頼んだ。 坊さんは頷き、再度Bに竹筒の水を飲ませ、吹きかけた。 そして俺達3人がおんどうの中に入ると、 坊「この扉を開けてはなりません。皆、本堂のほうにおります。明日の朝まで、誰もここに来ることはありません。」 坊「そして、壁の向こうのものと会話をしてはなりません。このおんどうの中でも言葉を発してはなりません。居場所を教えてはなりません。」 坊「これらをくれぐれもお守りいただけますよう、お願いします」 そう言って俺達の顔を見渡した。 俺達は頷くしかなかった。 この時既に言葉を発してはならない気がして、怖くて何も言えなかったんだ。 坊さんは俺達の様子を確認すると、扉を閉め、そのまま何も言わず行ってしまった。 おんどうの中はひんやりしていた。 実際ここで飲まず食わずでやっていけるのかと不安だったが、これなら一晩くらいは持ちそうだと思った。 建物自体はかなり古く、壁には所々に隙間があった。といっても結構小さいものだけど。 まだ昼時ということもあり、外の光がその隙間から入り、AとBの顔もしっかり確認できた。 顔を見合わせても何も喋ることができないという状況は、生まれて初めてだった。 「大丈夫だ」という意味を込めて俺が頷くと、AもBも頷き返してくれた。 しばらくすると、顔を見合わせる回数も少なくなり、終いにはお互い別々の方向を向いていた。 喋りたくても喋れないもどかしさの中、後どれくらいの時間が残っているのか見当も付かない

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