怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。
春先の曇った日に、姉と山あいの魚市場へ行った。 取り壊しが決まった市場の音を、録音の仕事をしている私に残してほしいという。姉は子供の頃、この町で暮らしていた。 昼を過ぎても市場は静かだった。シャッターの降りた店を抜け、裏手の冷蔵倉庫へ向かう。姉がふと足を止めた。 「ここ、まだあったんだ」...