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冬のよく晴れた日に、地下の種子標本庫で棚卸しをしていた。 私は記録係になってまだ三週間。指導役の榊さんは、話すより先に数字を確認する人だった。 「台帳と現物が一つでもずれたら、戻って探す。種は逃げないけど、記録は逃げるから」 昼を少し過ぎた頃、台帳にない白い蛾が、棚の端に止まった。羽...