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それは初春の薄曇りの午後、肌寒さが残る日だった。 その日は土曜日で、仕事を休んでいた俺は、古い本を捨てるために近所の書店に向かった。 国道を10分ほど走ると、左手に見覚えのある看板が現れた。 「あなたの街の古本屋『N』」 徐々にハンドルを切ると、広い駐車場の向こうに、薄暗い色合...