
中編
キャンプ場での体験です
あ 2日前
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昔、子供会でキャンプに行った時の話です。
昼間は親達が付き添って、川で遊んで、夕方ごろバーベキューをしました。
バーベキューが終わって、まだ空が明るかったのを覚えてます。
明るい、じゃ語弊があるかもしれません。
厳密には、どんよりと空は曇っていました。
「みんな、集まってー」
誰かの母親に呼ばれ、私も含め子供達はみんな、呼ばれた場所に集まりました。
「今から、ゲームをするよ」と言われ、子供達はキャーキャー騒ぎ始めました。
しー、と唇に指をあて、子供達に静かにするように合図を出されました。
「ゲームの説明をするよ、今から、みんなで手を繋いで輪を作ってください」
文章にして、伝わるのかわかりませんが、頑張ってかきますね。
当時の子供会は、今よりも割りと栄えていて、15人から16人、3つの輪ができました。
親たちも、輪の中に加わっていました。
3つの輪は、上、真ん中、下という形で、川の流れに沿って配置されました。
私はその、下の輪の中に入っていました。
子供達は何が始まるんだろうと、クスクス笑っていました。
「みんなー、今からいいよって言うまで絶対に目を開けちゃダメですよ、喋るのもダメですよ。それでは、スタートします」
皆、目をつぶり、辺りは川の流れる音しか聞こえなくなりました。
私も慌てて目をつぶりました。
どれぐらいたったでしょうか。
まだかな、まだかな、と思い始めた瞬間、川原の砂利を、歩く音が聞こえたのです。
じゃり、じゃり、と石の擦れる音が聞こえ、どきりとしました。
「、、、て、い、て」
小さく声が聞こえ、だんだんと近づいてきます。
近づいてきた足音とともに、声がはっきりと聞こえてきました。
「いれて、いれて、、、」
大人の声ではなかったです。
私たちと同い年、いや、もっと幼かったかもしれません。
いれて、いれて、と言いながら、私達の周りをぐるぐるとまわっているのです。
私は、自分の息が、大きくならないようにしました。
それなのに、足音がぴたりととまり、私の耳元でいれて、お願い、いれて、、と声がきこえます。
私は耐えきれず、目を開けてしまいました。
次の瞬間、私の目に飛び込んできたのは見馴れた我が家の壁でした。
心臓がどっどっどっと速く、そうだ、私は寝ていたんだ、と思い出しました。
もし、あそこで目が覚めなかったら、と私は今でも怖くなります。
だって、あんまりにもリアルだったのですから、、、。
以上
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