
冬の寒い夜、リビングの暖房が効いている中で、姉の美咲が妹の彩花に自分の過去について話し始めた。美咲が高校生だった頃、彼女もまた、一つ上の先輩に恋をしていた。彼は運動部のエースで、誰もが憧れる存在だった。
美咲の恋は、文化祭の練習中に彼が自分のところにやってきたことから始まった。彼は美咲が緊張しているのを見て、優しく声をかけてくれた。その瞬間、美咲は彼の虜になった。だが、美咲が勇気を振り絞って告白した際、彼にはすでに恋人がいたとあっさり断られてしまう。
彼女は失恋の痛手を抱えながら、次第に心の中で自己嫌悪が膨れ上がっていた。「私は美しくないから、愛されないんだ」と。そんなある日、彼女はその先輩の妹である友人から、彼が別れたことを耳にする。
美咲は心の中で「やっぱり私がブスだから」と自分を責めるようになり、ついには自らの写真を焼却し、化粧品を捨てる決意をする。彼女は自分の見た目を変えることができると思い込んでいた。しかし、彼女の努力は無駄に終わり、大学時代も恋愛は遠い存在だった。
時が経ち、30歳を迎えた美咲は、親の勧めでお見合いに挑むことにした。そこで出会ったのは、冴えない外見の公務員だった。彼との恋愛は美咲にとって新たな出発だったが、彼女は心のどこかで「見た目が全て」と思っていた。
数年後、彩花が生まれ、美咲は母親としての責任を感じるようになる。しかし、彼女は自分の過去を繰り返すことを恐れていた。ある日、彩花が鏡の前で自分の顔を見つめている姿を見た美咲は、心がざわつく。
「私が自分を変えたように、彩花にも整形をさせなければ」と考え、美咲は整形手術を決意する。手術を受けた彩花は、痛みを伴いながらも新たな自分に生まれ変わることを夢見ていた。しかし、手術後の彩花の姿を見た美咲は、彼女の顔が自分に似てしまったことに気づく。
「私と同じ苦しみを背負わせたくない」と美咲は心の中で叫び、彩花に微笑みかける。「いつか感謝される日が来るから」と語りかけるが、その言葉にはどこか虚無感が漂っていた。
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