友達（以下Ｔ）から聞いた話です。 去年の夏、Ｔはその日ナンパして遊んだ女の子のＹちゃんと一緒に地元では有名な心霊スポットの廃病院に遊びに行ったらしいです。 Ｔの地元は田舎で不良が多いということもあり、そういう人達と会うのは嫌だと思いかなり夜中に行ったらしいのですが夏休みだったこともあって先客がいたそうです。派手髪でイカツイ感じの男4人と病院の階段で会ってしまい絡まれたら嫌だなと思っていたそうですが案の定話しかけられてしまったそうです。 ですが４人は廃病院の雰囲気が怖かったのかかなり震えていたうえにとても礼儀正しかったためみんなすぐに意気投合して一緒に周ることになったそうです。 ですが何も起こらず、みんなで写真を撮って帰ることにしたそうです。 そのときにＴは連絡先をみんなで交換しようとしたのですがなぜか４人とも携帯を忘れてきたと言うので結局連絡先を交換することはできなかったそうです。 その帰り道、Ｙちゃんを乗せてＴの車で走っているといきなりＹちゃんが悲鳴に近い声をあげ、「どうしたの？」と聞くとＴの携帯で撮った病院での写真が全部Ｙちゃんが全身血だらけになっていると言うのです。 見てみると本当にＹちゃんは血だらけで2人とも怖過ぎて夜中で迷惑かもしれないということも考えずに近くにあるお寺をカーナビで探してそのままそこへ向かったらしいです。 お寺に着き何度もチャイムを鳴らすと住職さんが眠そうに出てきましたが2人を見た瞬間血相を変え2人の話も聞かずにすぐにお祓いを始めると言って準備をしだしたそうです。 2人は住職さんに言われた通りに座禅を組み静かにお経を聞いていたそうですがＴはだんだん意識が遠のきそのまま眠ってしまったそうです。 Ｔが目を覚ますともう昼になっていたそうで住職さんがＴに布団を掛けてくれていたそうです。 住職さんが「もう大丈夫なので安心してください」と言ってくれたそうですが、どこを探してもＹちゃんの姿が見つからず住職さんに「彼女はどこですか？」と聞くと住職さんは「あなたは見えていたのですか？」と驚いていたため訳が分からず「何がですか？」と聞くと住職さんは言いづらそうに「彼女はこの世の方ではありませんでした」と言ったそうです。 意味が分からずパニック状態のままＴは今までの経緯を住職さんに話すと住職さんは納得したように 「確かに彼女は自分がもう亡くなっていることに気付いていませんでした」 と言ったそうです。 それにあの廃病院には悪い霊などいないため行っても何も起こらないに決まっているということもそこで知ったそうです。 最近Ｔはあの病院で出会った４人のうちの1人のＵ君に街でばったり再会してそのときの話をしたそうです。 Ｕ君の話によるとあんな心霊スポットに1人でいたＴを見てＴは完全に幽霊だと思い込んでいましたが幽霊と心霊スポットを周ったとなると自慢できると思い一緒に周ったらしいですがさすがに連絡先交換は怖くてできなかったそうです。 Ｕ君達の携帯にも血だらけのＹちゃんは写っていたそうで怖過ぎるからもうあの病院には行かないと思ったそうです。 ＴはＹちゃんのことやあの病院には何もないことも全部話し、意気投合して今度こそ連絡先を交換できたそうです。