
長編
頭のおかしい友人
たけ 3日前
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。
片道2時間ほどかかる随分遠くに来てしまったようだった。
「はぁー、本当に嫌だ…」
ぶつぶつと文句を言っている俺を置いて、Nはトランクから荷物をごそごそと出していた。
そして、「はい」っと手渡された物、バール、ライト付きのヘルメット、軍手、予備のライト、マスク。
「…お前何する気?」
「心スポ探索って言ってるだろ」
「それはわかってるけどバールとか何に使うん?」
「それはな…」っと、ようやくNは俺を連れてきて理由を話してくれた。
どうやらこの心スポの入り口と言う入り口には木が打ち付けられているようで、前に一人で来た時に入れなかったため、俺を呼んで二人がかりで木を外して中に入ろうという事だった。
「お前、これ不法侵入じゃん。俺心スポも嫌だけど犯罪も嫌なんだけど」
「バレる事無いから大丈夫だろ。ほら、早く行くぞ」
そういってヘルメットをかぶってバールを肩に担ぎながらタバコを吸う月明りに照らされたNの姿は絵になっていて俺は心底イケメンと言うものを憎んだ。
Nの後ろをビクビクとしながらしばらく進むと建物が見えてきた。
その建物は2階建てになっており、海沿いの山の中にひっそりとある海が見えるレストランだったようだ。
「ここ、これ外すぞ」
「まじでここヤバいって、雰囲気まじで幽霊出るってこれ」
「だろ?」
そう言ったNはニコリと嬉しそうに笑った。
そして、Nと一緒に格闘する事15分、ようやく木をすべてはがし終わりドアを開けることができた。
ドアの向こうは厨房になっており、俺たちが開けたドアは裏口のようだった。
厨房内には道具などが残されており、かまどなんて物もあった。
しかし随分と荒らされているようで、机などは倒れ、床には誰かが飲み食いしたであろうゴミが散乱していた。
そんな幽霊がでる雰囲気満載の所に、Nは物怖じすることなくズカズカと中に入っていきスマホでパシャパシャと写真撮影を楽しみ始めた。俺はと言うと、Nの後ろにぴったりと張り付きビクビクと震えていた。
しばらく写真撮影を楽しんだ後、Nは次の部屋へと続く両開きのドアの所に向かった。
「ん?なにこれくそ固い」
グイグイとドアノブに力を込めるがビクともしない。
俺は神様に感謝した。ありがとう、ドアノブをロックしてくれていてと。
諦めて帰ろうぜ?そうNに提案しようとした直後、ドカッ!と凄まじ
後日談:
- 以上が俺が先週の日曜日に体験した話です。 Nが言っていたことが本当かどうかはわかりませんが、四国のどこかにあるのでぜひ行ってみてください。
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- なめこさんの話はどっちも情景が浮かび易くて大好きです!!1人で寝れない