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長編

深夜喫茶「見えない交渉」

まなみ 3日前
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怖くない 383
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尋常じゃない汗のせいでメイクが爛れ、顔は無残にもぐちゃぐちゃ。 俺は体中の血が一瞬で凍るような心地だった。 「ナイフ!嫌!!……ナイフを……ううぅ、こ、ここ殺……し」 女性がなおも喚くように言った。 やばい、やばいやばいやばい!絶対におかしい、普通じゃない! 全身に鳥肌が粟立つのを感じ、俺は急いで踵を返すと、その場から早歩きでカウンターまで引き返した。 OKポリス、俺は迷いなくスマホをポケットから取り出し、110番と打ち込んだ。 が、その時だ。 「あの、ちょっと待ってください」 「えっ?」 声の方を向くと、いつの間にかカウンターの隅に、幼い顔立ちの女の子が座っていた。 見覚えのある顔、それもそのはず、この子はうちの常連さんだ。 しかも深夜帯の常連客。 毎日毎晩決まった時間に現れては、店内の隅の方で、なにやらノートPCで作業をしている。 一見、見た感じは幼いが美人で可愛い。 ちょっと大きな眼鏡もどことなく似合っている。 しかもいつも頼む飲み物はメロンソーダ。 ついたあだ名はメロンちゃんだ。(バイト仲間が勝手につけたあだ名) その常連客であるメロンちゃんが、なぜか席を移動してカウンターに座っている。 「えと……待ってって、どういうことですか?」 スマホを耳から離して、俺はメロンちゃんに聞いた。 「警察に電話するのはやめたほうがいいです。多分解決しないから」 そう言ってメロンちゃんは席を立つと、窓側の席にいる女性の方へと、無言のまま向かった。 呆然とする俺。店内には窓側に座る女性の泣き声が響いている。 というか泣き声はどんどん酷くなり、もはや嗚咽のようになっていた。 カウンター越しに厨房を見ると、相方は耳にイヤホンをはめて音楽を聴いている。 あの野郎……憎々しく思いながら、俺はメロンちゃんの後に続いた。 メロンちゃんは女性のもとにたどり着くと、徐に席に座った。 えっ?反対側じゃないのか? 俺はてっきりメロンちゃんは女性の正面に座るのかと思っていた。 しかし正面には座らず、女性の隣に座ったのだ。 メロンちゃんがゆっくりと口を開く。 「何を……されてるんですか?」 女性は何も答えるわけでもなく、嗚咽のような泣き声を続けている。 「なぜ、そんな事を?」 メロンちゃんが独り言のように言う。 ん? ちょっと待て、その質問はおかしくないか? 女性は何も

後日談:

  • ある一定数投稿すると、前の投稿が消えてしまうみたいですね。なのでこれを最後にします。

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