
私が小学校5年生の時の話です。
放課後に友達のMとトイレに行った時のことでした。
トイレの個室は3つあり、1番目に私、2番目にMが入りました。
そしてトイレの扉を閉める寸前、もう1人誰かがトイレに入ってきました。
一瞬しか見えませんでしたが、白い服を着た子でした。
その子は空いている3番目のトイレに入ったのでしょう。
トイレから出てきて、手洗い場で手を洗いながら私は何気なくMに訊ねました。
私「さっき女の子入ってきたよな?」
M「入ってきたなぁ。白い服の子やろ?そういえば出ていった?」
言われてみればその子が出ていったような感じはありませんでした。
私「まだちゃう?スリッパも1つ無いし」
ですが、トイレの中に誰かがいる気配が全くせず、私達は顔を見合せ、様子を見ようと言うことになりました。
恐る恐る3番目のトイレへと近づいていくと扉が空いていました。
M「扉空いてるやん。もうおらんのちゃう?」
私「じゃあウチらより先に出たんかな?」
M「あ、でもスリッパ1個無かったよな?」
私「一応、確認してみる?」
私達は個室の中を確認することにしました。
恐る恐る近づき中を確認すると、和式便器の横にスリッパが置いてありました。
M「スリッパあんねんけど」
私「いや、誰かの悪戯やろ。ウチらあの白い服の子に揶揄われたんちゃう」
M「かもな」
私達は誰かの悪戯だろうと結論付け、その場を後にしようとしました。
その時、私は気が付きました。
私「でもさぁ、あの子制服じゃなかったよな」
そうです。私の通っていた小学校は上下共に制服があり、私服の生徒がいるのはおかしいのです。
その瞬間、全身の血の気が引くのを感じました。
私達は走ってトイレから離れました。
その後、私はその女の子のことを見ることはありませんでしたが、私の学年では「廊下で白い服の子が泣いている」「見た事のない女の子がいる」など嘘か本当か分からない噂話が多く聞かれるようになりました。
しかし、いつしかそんな噂話も聞かれなくなり私もその時の出来事を忘れかけていました。
ある日姉と2階の部屋のテレビで映画を見ていた時に、父が部屋へ来ました。
父「さっきからバタバタ走り回るな!うるさい!」
そう言って怒られました。
私と姉は顔を見合せました。
姉「ずっと映画見とったけど…」
姉はそう言いました。
事実、私と姉は2人でベッドに座りながら映画を見ていたのですから。
走り回るようなことはしていませんでした。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。