
長編
8時間以上居てはいけないコンビ
つなか 3日前
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駆け込む前、閉店の看板を入り口に設置し、ドアには鍵をかけて来たからだ。
誰も店の中に入れるはずがない。
入れたとしてもオーナーかオーナー妻だけのはずで、3人以上の足音が聞こえるのは明らかにおかしい。
恐怖で便は引っ込んだが、外に出られる状況でもなかった。
プルルルルルルルル
スマホが鳴った。オーナーからだ。
するとその音を聞きつけたのか、足音がピタッと止まり、一斉にトイレへと向かうのが聞こえた。
俺はトイレの鍵が閉まっていることを確認し、電話に出た。
「もしもしオーナーですか!?やばいんです!トイレ入ってたら店閉めたはずなのに店内から足音が聞こえて…今の着信音でそいつらトイレまで来ちゃったっぽいです…」
「€○%#>〒→¥#¥÷%・+><・:〆」
オーナーは何か言っているが、一文字も聞き取れない。まるで会話をジャミングされているようだった。そしてすぐプツっと切れてしまった。
時間を見た。
23時58分。
俺にはもう残された道が一つしかなかった。
死ぬもんか。絶対生きてここを出てやる。
俺は鍵を開けドアを蹴飛ばし外に出た。
外には誰もいなかったが、なぜか床がビショビショに濡れていて、転けてしまった。それでもすぐに立ち上がると、全力で入り口へと向かったが、思わぬ光景に目が点になった。
レジにオーナーとオーナー妻が居たのだ。
それもあっはっはと笑いながら。
「〇〇君。ごめんね!どうしてもこんな奥地まで来てくれる派遣バイトが見つからなかったから、ちょっと興味をそそられそうな仕掛けを用意してみたんだ!つまりアレは作り話ってこと!」
「〇〇君たら本気で信じてくれたから、面白くなっちゃって(笑)ごめんねえ〜」
全身の力が抜けた。
あまりにホッとしたので、思わず笑みが溢れる。
「んもーーー!本気でビビったんですから!!!あー怖かった!」
「ごめんごめん(笑)さ!お給料渡すからこっちにおおで。」
「こっちおおで。おおで。おおで。」
「んもう、おおでってなんすか?方言すか?埼玉の」
「いいからおおで。おおで。こっちこっち」
ドンドンドンドンドン
入り口の扉を叩く音。
見るとオーナーが外から叫んでいる。
ドアを叩きながら。
バチンと店内の電気が消え、一瞬で辺りは常闇へと変貌した。
その後俺がどうやって生き延びたのか、オーナー達やあのコンビニはどうなったのか、一切覚えていない。
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- 尻切れトンボやなー、オチが弱いわびびり
- タイトル、コンビ【ニ】です! 申し訳ございませんぎんやみ