
長編
トンネル、二体の地蔵
近所の犬 3日前
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蔵"があり、歩いて通り過ぎるとその地蔵がおっかけてくるらしい。
馬鹿馬鹿しいと思いながら僕たち十数人は車をトンネルの前に停め、大声で騒ぎながらトンネルの中に入っていきました。
滅多に車は通らないとはいえ公道でも使われているトンネルのため、中はライトがあり、目当ての地蔵はすぐに見つかりました。
そっくりな二体の地蔵が、右側の壁に並んでいるんです。
すげー本当にあるんだーとみんなではしゃいでいると、グループのリーダー格の先輩が突然一体の地蔵を思いきり蹴るんです。
加減を知らないその先輩はどうやら本当に強く蹴ったようで、
ぼとっ
と、地蔵の首が折れて地面に落ちました。
中にはあまりの不謹慎さに青ざめる者もいましたが、田舎の不良どもにとってはこのくらいの事は日常茶飯事で、それを見てゲラゲラ笑ってたんです。当然、僕も。
その先輩は、何かを思い付いたような表情を浮かべると突然僕の肩を掴んで、
「Aさ、お前んち床屋だろ?」
って言うんです。
「お前んちの店の前にさぁ、この地蔵置いとけばさ、招き猫みたいにお客さん来んじゃねーの?」
今考えたら悪魔のような提案ですが、当時の僕も馬鹿だったんで、
「いいですね!これ車積みましょう!」
と、その地蔵の首と胴体を、家に持って帰ってきちゃったんです。
地蔵と共に家の前で車を降り一人になると、途端に冷静になってきて、
この地蔵、親に見つかったらめちゃくちゃ怒られるんじゃないか…とすぐに想像できました。
ただ疲れてるのもありどこかに捨ててくるのも面倒臭い。
悩んだ末、家の裏にある物置小屋の中にとりあえず突っ込んでおいたんです。明日起きたらどっかに捨ててこようと。
床屋の二階部分にある部屋に帰ってから、テレビを見たり携帯をいじったりなどしていると、いつの間にか地蔵の事など気に留めなくなっていました。
数時間ゆっくりしていると眠たくなって、電気を消して布団に入ったその時、
バーン!!!
と大きな音が真下から聞こえてきたんです。
驚いて思わず飛び上がったのですが、
事故か何かだろうと思いながら睡魔には勝てずにそのまま気付いたら寝ていました。
朝、母が勢いよく部屋の扉を開ける音で目が覚めると、
「あんた!下のアレあんたがやったの!?」
ととんでもない剣幕で僕を見るんです。
まだ寝ぼけている僕は母に引きずられて一階に降りると、
床屋の入口の窓ガラスが、バ
後日談:
- さくっとまとめるつもりが長編になってしまいました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 匿名様 コメントありがとうございます! 過去の自分がした行いを今でも後悔して苦悩してるのは、ある意味ですがすでに罰が当たってるようなものかもしれないですね。。祖母の原付
- お地蔵様をハンマーで割り川に捨てるなんて、、恐ろしい!罰当たりな話しに…。恐いです。今後、何ごとも無ければ良いのですが!匿名