
中編
真っ赤なもみじ
SHO 3日前
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しかし、私が最も怖かったのはその後の祖母の一言でした。
「今でも、ミカちゃんが遊びに来るんだよ。この家に。」
私はその言い方が冗談には聞こえませんでした。
その話を聞いた夜、私は風呂に入るのが怖くてたまりませんでした。
特に顔を洗う時は目をつぶれなくて…
目をつぶって、開けたら目の前の鏡にミカちゃんがいそうで…
小さな手形が鏡一面にあるのでは、と。
まぁ、けっきょく里帰り中はなにもありませんでした。
本当に恐怖を感じたのは、その数ヶ月後。
祖母が肺炎で亡くなり、山奥の実家で遺品整理をしていた時です。
業者にも頼んで一緒に片付けていたのですが、1人の業者が怖い顔で
「あまり、よからぬものを見つけまして…」
と、一緒に来てくれてと手招きして、祖母のタンスの中を指し示しました。
もう、見ちゃった〜て感じでしたね。
かなり昔の子どもの服とズボン。その一面に歳月を経て黒ずんだ手形がありました。
何を考えて祖母はこのような物を残したのか。
こればかりはそのまま捨てるのはまずいと思い、お焚き上げしてもらうために私が持ち帰りました。
これがまずかったと思います。
その日の予定があったとはいえ、やはりその日すぐにお焚き上げしてもらうべきでした。
祖母の服を持ち帰り、洗面所で顔を洗って鏡を見た時、心臓が飛び出るかと思いました。
真っ赤なもみじ…ではなく、乾いた手形が数カ所に点々とついていました。
(ちなみに、その日以来、風呂で顔を洗う時も目をつぶるのが怖くて出来ません笑)
顔を拭くのも忘れて携帯だけ手に持って急いで家を飛び出し、近くのコンビニで友人に電話。
友人はそういう類の話は全く信じない人でしたが、とりあえずその日は友人の家で夜を明かしました。
翌日に友人を半ば強引に引き連れて、私の家まで行き、玄関に置いてあった祖母の服の入ったダンボールを持って、某有名なお寺でお焚き上げしてもらいました。
その日以来、手形も見ていませんし、心霊現象も起きていませんが、やはりミカちゃんが私に何を伝えたかったのか未だに気になりますね。
後日談:
- 顔を洗う時は気を付けて下さい。
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- 何を伝えたかったんだろう……黒猫
- どうしたらいいんだブルー
- なんだかこれぐらいがちょうどいい怖さrain
- お風呂入れない。。かだいち
- 怖いです!まお