
「カフェ・アウル」に、若手ライターの吉岡が訪れた。彼はオカルトや都市伝説に興味を持ち、特に不思議な話を追い求めていた。ある日、友達の真琴から「このカフェは、幽霊がスイーツを食べに現れるらしいよ」と聞かされ、一緒に行くことになった。
「本当に幽霊が出るのかしら?」真琴は興味津々の様子で、カフェの扉を開けた。店内は古びた家具で統一され、どこか懐かしい雰囲気が漂っていた。吉岡はカウンターにいる女性店主、葉子に声をかける。「ここでは幽霊が出るって本当ですか?」
葉子は微笑んで、「ああ、それは本当です。私の祖父がこのカフェを始めた頃、よくお客さんにこの話をしていました。幽霊は、最後のケーキを求めて現れるんです」
「最後のケーキ?」吉岡は興味を持った。
「そうです。祖父が亡くなった後、毎晩、彼の好きだったチーズケーキを一つ残しておくと、夜中に誰もいないはずのカフェで、ひとりでに皿が動くことがあるんですよ」
「それは面白いですね」と吉岡は言った。「でも、実際に見たことはあるんですか?」
「見たことはないけれど、何か感じることはあります。例えば、最後のケーキを供えていると、急に冷たい風が吹くことがあるんです」
吉岡はその話を聞き、実際にその瞬間を体験したくなった。「それなら、今夜、最後のケーキを食べてみましょう」
葉子は頷き、特製のチーズケーキを用意してくれた。吉岡と真琴はそれを囲んで、楽しい会話を心ゆくまで楽しんだ。
その後、夜が深まるにつれ、カフェは静まり返った。ふと、吉岡は気配を感じた。冷たい空気が流れ、背筋がぞくりとした。真琴も同じように感じたらしく、彼女は「今、何かいた?」と不安そうに言った。
「ちょっと待って、見てみる」と吉岡は言い、カフェの奥に目を凝らした。すると、薄暗い影が一瞬見えたような気がした。「葉子さん、幽霊、見えましたか?」
葉子は静かに首を振った。「見えないけど、感じることはあります。さあ、ケーキを供えましょう」
吉岡はその言葉に従い、最後のケーキをテーブルにそっと置いた。すると、その瞬間、冷たい風が吹き抜け、カフェの温度が一気に下がった。
「これが幽霊の仕業なのか?」吉岡は驚きと興奮で心臓が高鳴った。真琴は震えながらも、興味津々で周囲を見回していた。
「もし本当に幽霊が来たら、何をするつもり?」真琴が聞く。「そのケーキを一緒に食べるつもりだけど、もしかしたら何か伝えたいことがあるのかも」と吉岡は答えた。
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