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短編

ふしぎなこと

4度 2016年10月7日
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もうすぐ村の神輿がひっぱり出される。僕の村は夏にだんじりみたいな大きな神輿があるんだけど、その神輿はなぜかかつがない。どういったらいいか、みんなでひっぱるんだよ。当日は神輿はお社にはいるんだが、そのときは、人もいっぱいで、無礼講、やりたい放題さ。その唯一の楽しみために、毎年一年間かけて準備するんだ。ここにはほかに何も目標もないし、希望もないから。父さんは毎週酒を飲みに寄合へ行くんだ。家には寄り付かないのにな。それで、資金を調達するために、村を一件一件まわるんだ。金をくれってたかるんだ。でも金くれよって聞こえが悪いだろう?だから俺らは知恵を絞って花代って呼んでいるのさ。僕ら青年団の下っ端チンピラの仕事は、この資金をどれだけ持ってこれるかにかかっている。このときに、きれいな娘さんがいる家をチェックするんだ。若頭の好みとか考えながらチェックして、あとで上役に報告するんだ。で、夏が終わると、なぜかその娘さんのお腹は…。僕の口からは言えないな。ただ、なぜか。いつも寄付は十分に集まるんだ。そのおかげで、行事が終わると、楽しい○旅行に行けるんだ。春が来るんだよ。まあ、その春はアジアにもあるんだけどな。そんな体たらくなのに、なぜか村人は皆協力的なんだ。反対していた家はなぜかその次の年には更地になって、村に寄付される。いつも僕にはわからないんだ。なぜうちの父さんは酒ばかり飲んでいるのに、うちに金はいくらでもあるのか。なぜ母さんはこの村を出て行ってしまったのか。なぜ他の村から疎まれるのか。僕の村は大きな池の隣にあるんだけど、ここはまだ昔のまままなんだろうなあ。どんな伝統であれ、いつか悪いことは悪いんだと皆がわかる時代が来るんだろうか。今年ももうすぐあの忌まわしいできごとがまた繰り返されるんだろうか。僕はいつここから抜け出せるのか。

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