
中編
沖縄の廃墟風宿
み 2020年5月3日
chat_bubble 6
28,722 views
去年の話
沖縄に旅行で来た俺はもく住む事を決めて、滞在してた。
当時は格安ホテルやゲストハウスを渡り歩く日々。。
ある秋の日、那覇市内のとある地区に潜入した。
そこは前から気になってた地区なんやけど、いざ奥地まで進むと..
もう完全に異世界。
空気が重いし、空気が昔のまんま密封されてて、タイムスリップした様な街並み。
住んでる住民も特殊な感じで、個性的。
このまま居ると空気的に呑まれそうやったから..
ひとまずメインストリート方面へ戻る。
ここに来た目的は格安宿探しの意味もあった
以前、知り合いに
『アソコは町自体が古いから、大分安い宿もあるはずだよ。』
と聞いていた。
途中、出会ったオバサンに尋ねると
『営業してるか解らんけど、すぐそこにあるよ。』
と言われ、礼を行って宿に向かう。
着いたら巨大な廃墟の様なコンクリの3F建ての建物。
ボロボロの看板に『格安宿』の文字。
さっそく入ると、むせるくらいにカビ臭く埃っぽい
もう何十年も空気の入れ替えをしてない様な感じ..
階段を登り、2Fに着くと薄暗く明らかに掃除してない小汚い空間
『すいませーん、すいませーん!』
声をかけるが返事も人の気配もない。
中を進んでくと一室から明かりが漏れて、ラジオの音の様なモノも聞こえる
部屋の前にはボロボロの小さめのスリッパ(確か、便所スリッパっぽかった)
ノックしようかな?と思ったが、本能的にとんでもなくイヤな感じがしたので止めた..
3Fに登る、着くともう荒れ放題でモノが散乱..
なんか狂気的なモノを感じた。
下りて2Fを見ると相変わらず、アノ部屋だけ明かりが漏れてる。
壁を見ると
『御用の方はココに連絡下さい。』
ぶっちゃけ、気味悪すぎてもう泊まる気なんてなかったけど、ココまで来たし..
と思い早速電話を入れる。
『もしもし?』
出たのは中年の男。
『●○に来てるんですけど、全くスタッフがいなくて。』
『え、●○てなんの事ですか?』
『え、アナタここのスタッフでしょ?』
『イヤ、そんな場所知りませんよ、お兄さん今どちらの場所からかけてます?』
『那覇ですけど。』
『那覇? 僕は宮古島なんですけど!』
『え.. でもアナタの番号貼られてますよ。』
『..そうなんですか!?
でも僕はずっと宮古島ですし、那覇に親戚とかもいないんで。。』
『..あーそうなんすね、なんかすいません。』
『..いえいえ、コチラもなんかすいません。』
お互いに何故か、謝りながら電話を切る
頭が混乱しつつも
(デタラメ書きよって!!)
と怒りが湧いてきた。
張り紙をもう一度見ると、下の方にちっちゃくもう一つの番号が..
見ると違和感を感じた
フツー今の携番て11ケタやん?
書かれた番号は10ケタ。
明らかにおかしい..
それでも気になった俺は
(どうせ、繋がらんやろな)
と思いながら、不思議とかけてしまった。
予想外にコールが始まる
!?
不思議に思ってると
なんと、相手が出た
..
電話を受け取った相手は
無言。
俺も無言で進める
..
..
..
..
15秒くらい立った頃
男の声で
『.. ハァ ハァ』
震えてる様な息遣いが聞こえた。
その瞬間、全身に鳥肌が立ち
気持ち悪くて
急いで走って廃墟風の宿を出た。
出た瞬間、2Fの窓から
物凄い視線を感じた。
そこを見る勇気は無く
急いでその町から離れた。
アレ以来、アノ町には
近付いてない。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(6件)
コメントはまだありません。