
「霊柩車を見たら親指を隠せ」と言われたこと、ありませんか?親指が魂の出入り口だから、亡くなった人の魂が自分に入ってこないように、という理由です。私は、静かな住宅街で育ちましたが、そんな言い伝えは当たり前のように存在していました。
ある日、私のクラスに転校生のA子がやってきました。彼女は、祖母から伝えられた別の言い伝えを教えてくれました。「霊柩車を見たら、死んでほしくない人の指を隠せ」と。親指は父、指先は母、そして小指は自分の子供を意味するのだと言います。
A子はその言い伝えを信じているようで、霊柩車が通る度、両手をグーにして親指を隠していました。さらに、彼女はもう一つの都市伝説を教えてくれました。「亡くなった人の指で霊柩車を指さして『帰れ、帰れ、帰れ』と三回唱えると、生き返る」というものでした。
最初は信じられないと思っていましたが、A子はその言い伝えを試すことにしたのです。ある日、A子のお父さんが事故で亡くなりました。彼女はしばらく学校を休んでいましたが、戻ってきた時、彼女の顔色は異常に青白く、まるで死んだ人のようでした。
「お父さんが生き返った」と彼女は言いました。私は冗談だと思いましたが、A子は続けました。「でも、あれはお父さんじゃない。普通に見えるけど、首が折れているのに、普通に歩いているの」と。
A子の話によれば、生き返ったお父さんは生肉しか食べず、目が変わっていると言います。私の頭に浮かんだのは、動物霊に取り憑かれた人々の話でした。しかし、どうすればその霊を取り除けるのか、私たちにはわかりませんでした。
その日、私が帰宅すると、リビングには重い空気が漂っていました。母とA子のお母さんが話し込んでいて、私が声をかけても気づかない様子でした。夕食時、A子のお母さんが帰った後、母はため息をつきました。
「A子のお父さん、住職のところに行くことになった」と聞かされ、A子も同じことを言っていました。その後、A子は転校し、私たちは連絡を取れなくなりました。
数年後、A子から手紙が届きました。内容は彼女のお父さんが狐憑きになり、住職にお祓いをしてもらったが、結果的にお父さんの体は干からびてしまったというものでした。彼女は悔やんでも悔やみきれないと綴っていました。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


