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闇鍋
長編

闇鍋

雪の結晶 2016年4月11日
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これは悲しく残念な話。実害が起きている実話だ。 高校の卒業式が終わった後日。 田舎で育ったからか、大抵の奴は進学か就職でも一旦は県外に出る奴らばかりなんで、毎日誰かが地元を離れていくような、そんな時期。 俺も県外に進学の為に引越しの荷物をまとめていたら、友人Mがまだ残ってるメンバーで最後になんかして遊びたいって言ってきた。 その時は準備も終わり、荷物も整理できていたから軽くOKをした。 その日の夜にMから召集されて、夜に別の友人T宅にお邪魔することに。 T宅は敷地内に住宅と別に倉庫のような離れ部屋があって、T曰くアニキが親に頼んで昔からあった池を潰してまで作ってもらったものらしい。 でもナゼかあまり使わないまま、上京したので今はたまにTがギターの練習をする場所だとか。 その日は俺と友人T、友人M、友人Yの四人で鍋しようってなった。Mが一度やってみたかったという闇鍋をすることに。 暗い部屋に集まって、カセットコンロの上の鍋にみんな無言で各々何かを入れていった。 俺はスルメを入れた。 そのまま煮込むと出来上がりだ。野郎同士、おそるおそる箸で摘まんで食べてみると非常に甘口な、でも何だか食える〜〜ってキャッキャいいながらカセットコンロの灯りのみでその闇鍋を食べていった。 思いの外、盛り上がったところでMが「実は・・・」とカバンからテキーラを出してきた。 その頃は俺はお酒なんて飲んだ事は無かったし、躊躇していると、 「そういうことなら・・・」とTも襖から日本酒を出してくる。 Yに至っては家では既に親父の晩酌に付き合っているなどというから、離れのお部屋だし、数日後には上京してしまうし、とにかく高校卒業したし!で祝い酒することになってしまった。 みんななんだかんだ飲み慣れている話のワリにあやしい手付きでコップに酒を入れて飲んでいる。 俺は本当にその日が初めての飲酒ですぐに真っ赤になった。 それでも意地になって液体がなくなるまで、日本酒もテキーラも混ぜこぜに飲んだ。 きっと、みんな意地になって飲んだと思う。 飲み方を知らない俺たちは限界を超えて潰れた。 ・・・寒くなって目が覚めた。 頭が痛くて身体も動きにくい。 やっとの事で上半身を持ち上げる テーブルの周辺に各々が眠っているようだ。 誰が誰だか分からないが 誰かのイビキが酷い 寒かった俺はカセットコンロのスイッチをひねった。暗闇が薄暗く照らされる・・・ 闇鍋の残骸の上に何かがいて、虫のように親指サイズでテーブルの周りを回っているように見える。 何だろうとボーっと見ていると段々姿が分かって来た。 ・・・それはとても奇妙な動きでクネクネしている クネクネしながらテーブルを回っているのだ 「あ・・・」 隣からMの声がした? いつの間にか起きたMに俺は小さい声で 「変な虫みたいなのがいるぞ」と声をかけた。 するとMは 「赤ちゃん・・・」と呟く もう一度見てみると確かにそうだった。 暗闇に照らされるそれは黒い赤ちゃん もの凄くクネクネ踊っている! 一気に酔いも覚め、固まる。 Mも動かない 黒い赤ちゃんはクネクネ踊って激しく回り出すと ピタっと動きをやめた もの凄く禍々しい雰囲気で俺は絶対に良いものではない事を確信した。 小さい踊る赤ちゃんはゆっくりと寝たままのイビキの酷い方に移動し、その身体に入っていくように見えた。 俺とMはその様を見送った。 ・・・目を覚ますと朝だった。どうやらあの後そのまま眠っていたらしい。 夢だったのか? 思い出してすごく怖くなった俺はMを起こして聞いてみた。 「覚えてる・・・?」 「うーん。一度起きたよね?あまり覚えてない」と言うM。 「嘘だろ!あれ、なんか気味わるいヤツ!」 「覚えてない・・・」と返すM。 「マジか・・・」と俺は絶句した。 残る2人も起きたが気分悪いと帰っていった。 一体あれは何だったんだろう。 そのままその日は解散した。 その後、お互いにあまり連絡もとる事なく、数日後、俺は旅立った。 進学して3ヶ月経ったくらいの頃、Mから突然の連絡が来た。 Tが死んだというのだ 思わず「は?」となる俺。 マジだ。 詳しい事は聞いてないが聞いておくから詳しい事は告別式の日に聞く事になった MとYと合流して何があったのか聞くと お酒飲んで帰ってから風呂に入っている最中に脳そっ中で倒れたらしい。 しかもそのまま発見されず、3日経って見つかったらしい。 俺はその日の告別式、Tの顔を見た。黄色く変色した顔。鼻に詰められたテッシュ。 変わり果てた姿に、前にあったのはいつだったか考えながら涙が止まらなかった。 闇鍋の日だ・・・ 帰り道でYが声をかけてきた。 並んで歩きながら泣いているとYがボソッと 「俺、あの晩見たんだ。イビキかいてるTの頭に変なのが入っていくの・・・さ」 俺はYの顔をバっとみた。 やっぱり夢じゃないんだ!あの夜、寝ていたのはTだけだった!みんな・・・見たんだ あの夜、恐ろしい踊る赤ちゃんはTの頭に消えていった。 絶対にあれのせいだと俺は思う。 亡くなったTの事は今も忘れない。 すごいスポーツの出来る奴だった。 もうその姿を見る事はできない

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