
体験者:佐伯 由紀(仮名)
「私の彼氏の話なんだけど、聞いてもらえる?」
由紀は、彼氏の信之と一緒に山荘に訪れていた。彼は穏やかで優しい性格だったが、ある出来事を境に変わってしまった。
それは、突然の雪崩と、彼の親友の不慮の死だった。
それ以来、信之は神経質になり、しばしば不安を露わにするようになった。特に、彼が口にする「雪崩の真実」という言葉が気になり始めた。
「由紀、雪崩は人工的に起こされることがあるって知ってる?」
「え?それ、どういうこと?」
信之は、雪山での事故の背後には陰謀があると信じて疑わなかった。彼が言うには、山荘を買い取るために雪崩を引き起こす者がいると。
由紀は、彼の言葉に驚きながらも、彼が落ち着く日を待つことにした。
その後、山荘の中で信之が変わった様子を見せ始めた。彼は、暖炉のそばに置かれたスノードームを手に取り、何度も繰り返し眺めていた。
「この中に、真実が隠されているんだ。」
由紀は不安を感じ始め、彼の行動が気がかりだった。ある晩、彼が深い眠りに落ちた後、由紀は一人で外の雪景色を眺めていた。その時、何かが動くのを感じた。
「信之、外に誰かいる?」
確認するためにドアを開けると、外には赤いコートを着た人影が立っていた。彼女はすぐに逃げ去ってしまったが、その背中には不気味なほどの存在感があった。
不安に駆られた由紀は、信之の元へ戻ったが、彼は目を覚まし、恐怖に震えていた。
「由紀、彼らが来る。ここは危険だ!」
信之は、彼女に逃げるように言った。由紀は信じられず、ただ彼を見つめることしかできなかった。
「彼らは、赤いコートを着た女だ。」
その言葉を聞いた瞬間、由紀の心に恐怖が走った。彼女は実家に戻ることにしたが、数日後、彼からの連絡は途絶えた。
再び山荘へ戻ると、信之の姿はなく、彼の部屋には赤いコートが無造作に放り出されていた。
彼女がクローゼットを開けると、信之はそこで息絶えていた。
「彼は私を守るために、戦っていたのに……」
由紀は、彼の真実を知ることができなかった自分を恨むように呟いた。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



