
中編
栗色の髪
もーん 2日前
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このようなことがあるのかどうか、時折疑問に感じていたので思い切ってここに投稿してみたいと思います。
結論から先に申し上げます。タオルの中から髪の毛が出てくることはあるのでしょうか。
その時もいつものように洗濯機の上に吊るされたハンガーから乾いた下着や靴下、タオルを、碌に畳みもせずにそのままタンスの引き出しや収納かごに放り込んでいました。
そこには普段はあまり使用しない、たまたま洗った淡いピンク色のタオルがありました。収納かごに放り込もうとしたところ、2センチほどの髪の毛が一本くっついていることに気づきました。そんなことはよくあることです。取り除こうと摘まんだところスーッと5センチぐらい生地の中から出てきました。毛が貫通しているのかと思いタオルの裏を返すと髪の毛は見当たりません。そのまま引っ張ると10センチほどまで出てきました。どこまで出てくるのかと更に引っ張っていくと最終的に40センチぐらいの髪の毛が抜け出てきたのです。突然のことだったので鳥肌が立ったのを覚えています。ひとり部屋の中で唖然としました。
当然、それは自分の髪の毛ではありません。明かりに透かすと栗色に光沢のある細い髪の毛でした。その髪の毛はタオルの長手方向に沿うように、繊維の内部にまるで針で縫い付けたように入っていたのです。2センチほど出ていたので気づきましたが、表を見ても裏を返しても残りの部分は、表面からは見ることはできない状態で入っていたのです。
その髪の毛をまじまじと見てみると、まさかとは思いましたが心当たりがありました。当時の光景がよみがえってきたのです。
遡ること6年前になります。当時大阪に勤務していた時の話になります。大阪に赴任してしばらくたった頃、先輩社員に見合いの会に入ってみないかと誘われました。ここで身を固めろということです。勧められるまま何度か見合いを重ねるうち、気に入った女性が現れました。お互いバツイチで年齢は私より6歳下の大人しいおだやかな人でした。毎週のようにデートを重ね、3ケ月ほどたった頃、お互いの両親を紹介するところまで行き着いていました。
あの時は、私も彼女もお互いの両親もこのままうまく進んでいったらいいと思っていたのは確かです。結婚式は私の実家がある仙台で取り行うことに決めました。その前に式場のホテルで打合わせがあるので、一緒に仙台に行くことになりました。
出発する日は朝が早かったため前日に、私の住むマ
後日談:
- 結婚式は2010年3月14日の日曜日ホワイトデーに予定していました。大安でした。式場や日取りは母に決めてもらっていました。 血縁を結ぶということ、子供を授かるということは本人同士では乗り越えられない計り知れない力が働くのでしょうか。 自分たち、家族がうまくやろうとしても、なぜか邪魔が入る、一線を越えられない、互いの意思が通じない、そこには出生、地域が異なる、先祖が良く思っていないなどの不可抗力が存在するのでしょうか それとも私の努力 辛抱 情熱が足りないのでしょうか。
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- 色々な意味で、ご縁が無かったと言うことでしょうね。前向きに頑張ってください。鴉