怖い話とは少し違うかもしれない、少し不思議な体験談。 私は幽霊を信じていませんが、いくつかそれらしきものを経験したことがあります。 ドアの隙間から覗く黒い女 玄関先で浮遊しているオレンジ色の光 教室のドアの前に立つ灰色の男 など 名前を呼ばれたこともありました。 しかし、当時は若いながらもかなり精神的に参っていたため、その影響で存在しないものが見えてしまっていただけと、今はそう思っています。 そんな私でも一つ、幻覚、幻聴で片付けられないような記憶があります。 それは小学校での話。 私の小学校にはかなり広い図書室があり、休み時間にそこでテーブルを囲んで友達5〜6人と談笑していました。 3〜4人が椅子に座り、残りの2人の友達が立っていたのを覚えています。 すると誰が言い出したか 「ここ、なんか冷たくない？」 という話題に。 私たちが使っていた席は、丸テーブルに丸椅子がいくつか置かれた4〜5人用のものです。 そのうち1つの椅子が空いており、その椅子の上の空気が異様に冷たいということでした。 確かに、手を伸ばしてみるとなにかがある。 まるで冷蔵庫に手を入れたような冷気が、ちょうど人一人分の大きさで存在していたのです。 情報として蛇足かもしれませんが、当時は直感的に女の子だと思いました。おさげをしていたようにも思います。 近くに空調や空いた窓などがあればそれで説明はつくのですが、そこはちょうど空調の当たらない場所で、窓も一つとして空いていませんでした。 記憶が曖昧で季節までは思い出せないのですが、長袖の子がいたので少し肌寒い季節だったのでしょう。 秋の中に真冬があった、と言う表現が1番体感に近いでしょうか。 そして何より不思議だったのは、冷気を感じる子とそうでない子がいたこと。 私含め椅子に座っている子達は全員そこに何かがいると主張しましたが、立って話を聞いていた子たちはピンと来ていない様子でした。 そこへクラスメイトが3人ほどやってきて、概要を話し確認してもらったのですがやはりそんなものはないと突っぱねられてしまい、そこで休み時間が終わりました。 授業後に私1人で確認しにいきましたが、すでに消えており結局正体は分からず。 今思えば、最初からそこに誰も座っていなかったのも、幽霊を信じないヤンチャな子ですらその席に座ろうとしなかったのも 少し不思議です。