
中編
水子供養
ヤマ 3日前
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「良かったね、春木君
これで君を安心して降ろせるね」
それを聞いて父は戦慄して言葉が出なかったそうだ
旦那さんも奥さんも、ニコニコとしていて、そのまま父に「ありがとうございました」と再びお礼をして車に乗り込みそのまま去ってしまった
普通、あり得ない話なのだ、これは
水子供養はやむを得ず流すしか方法が無かった子供や、お腹の中で亡くなってしまった子供、亡くなった子供を供養する為のものであって
まだお腹の中に居て、これから降ろす子供を降ろしても良いようにする為の法要では無いのだ
それでもあの誠実そうな夫婦、最初父は二人は子供を産まれる直前に亡くして供養のお願いに来たと思い込んでたが逆だったみたいだ
まだお腹に子供が居るのに、それを降ろすから水子供養に来たのだった
父は激しく戦慄して、酷い嫌悪感や寒気に包まれたそうだった
あの去り際の清々しいくらいの夫婦の笑顔、狂気に充ち溢れているとしか言えなかったと、父は当時を語った
私もその話を聞いて酷い寒気や嫌悪感を覚えました
今でもその春木君の水子地蔵は山門前に供養されていますが、あの供養の日以来、あの夫婦は一度も来たことが無いと父は語る
その証拠に私もそれらしき夫婦は一度も見たこと無いし、その春木君の水子地蔵の回りだけ、他の水子地蔵とは違いお供えひとつありません
これは父から聞いた今から5年ほど前の話
幽霊や心霊的な話を期待してここまで見た人にはあまり面白くない話かもしれませんが…
私は多分今まで聞いたどんな怖い話より、一番恐ろしく一番寒気がする話です
その夫婦は今、どこで何をしてるのか
後日談:
- ※春木君は仮名です
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(6件)
- 結局、1番怖いのは生きてる人間なんですねみー
- 頼むからネタであってくれボトムズヲタク
- お父様の気持ちを察すると その場で固まってしまうのは分からなくも ないですが、 書かれている文面を見れば お父様は夫婦の近くにいらっしゃる様子ですし、 住職であるなら、間違っている事を 間違っていると伝えるのが宿命だと思います。ママちゃん
- 水子の幽霊が現れると思ったらまさか過ぎる終わりで寒気がヤバイぱう
- 寒気がとまらない…。匿名
- 一番怖かったです。うんこりん