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長編

そこに、いる

匿名 3日前
怖い 60
怖くない 38
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て、俺は瞳を細めると目を凝らした。 「──っ!?」  声にならない悲鳴を喉の奥へと飲み込んだ俺は、硬直した身体のまま目の前の”ソレ”を見つめた。暗がりで見えにくいとはいえ、確かに目の前に見えるのは全身血だらけの女の人の姿。  カタカタと震え始めた身体から冷んやりとした汗が滲み出る。  自慢じゃないが、俺は未だかつて一度も幽霊というものの存在に遭遇したこともなければ、怖いとすら思ったこともなかった。  けれど、そんな俺でも直感的に感じたのだ。あれは、関わってはいけないと──。 (……っ、逃げなきゃ……っ!)  そうは思うものの、まるで金縛りにでもあったかのようにピクリとも動かない俺の身体。動かない身体をガタガタと震えさせながら、ギュッと固く瞼を閉じた俺は心の中で懸命に祈った。 (頼む……っ、頼む……! 早く動いてくれっ……!)   ────── ──── 「……っ、うあぁぁあーー!!!」  勢いよく飛び起きた俺は、息も絶え絶えに辺りを見回した。 「……夢……、か……っ」  そう小さく声を零すと、ベッドの上に座ったまま壁にもたれる。悪夢を見たせいか寝汗が酷く、グッショリと濡れたTシャツが肌に張り付いて気持ち悪い。 「最っ、悪……」  未だかつて、心霊スポット帰りに悪夢に魘《うな》されるなんてことは一度も経験したことがない。それほどに、自分で思う以上にあのトンネルが怖かったのかもしれない。 「……まぁ、夢で良かったけど」  思わず弱気な本音が零れ出た俺は、濡れたTシャツを脱ぎ捨てるとその足で風呂場へと向かった。 (再生回数、どこまで伸びたかな……)  頭からシャワーを浴びながら、そんなことを考えて鼻歌を口ずさむ。  先程見た悪夢のことなどすっかりと忘れ去った俺は、就寝前に投稿した動画の再生数のことで頭がいっぱいだった。 (あれから6時間は経ってるから、1000くらいはいってるといいなぁ)  そんな期待を胸にシャワーから上がると、パソコンの前に座って再生回数を確認する。 「──えっ!? 3万再生!!? ……嘘だろっ!!?」  驚きに思わず椅子から立ち上がると、目の前に映し出されている画面を見て絶句する。 「……マジ……っ、か……」  過去3年間で俺が投稿してきた動画の中で、一番人気なものでも100万に届くかどうかだったが、たっ

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  • 私も好きで心霊スポット巡りの動画をよく見ますが…怖いな
    うみゅ
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