
長編
山でのスナップ写真に
匿名 7時間前
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私は心霊写真や怪談が子供の頃から大好きですが、霊体験はなく、また世の心霊現象や心霊写真のほとんどは錯覚か勘違いか夢か作り物、ただ中には稀に本当の心霊によるものがあるのではないかと思っている者です。
今回は私の母にまつわる話を書かせていただきます。
母は心霊好きな私と違い、「幽霊なんているわけがない、本物の人間のほうが余程怖い」なんて普段から言っているほど霊というものを信じていません。
そのくせ、子供の頃に人魂を見たとか、夜に外を歩いていたら変な光を見て騒いだりとか、霊を信じているのかいないのかわからない人です。
ただ、そういう話を面白がって作ったり嘘をいう人でもないので、人魂の話にしても本当に人魂だったか真偽は別として母はそういう何かを確かに見たのだな、と信用はしています。
その母は、50代の頃に登山にハマり、地元の山岳会に入って同年代のおじさおばさんと登山を楽しんでいます。
本格的な冬山登山などにも手を出し、私ら家族を毎回心配させる日々です。
今から20年以上前になりますか、写真がまだフイルム撮影が主流だった頃、母は山登りで高山の景色や草花を撮影するのにも力を入れていました。
そんな母が、心霊に興味を持ってやまない私に、半ば冷やかし、半ば真剣に、「これなんだと思う?」と1枚の写真(プリント)を見せます。
それは、どこだったか忘れましたが、登山好きなら誰でも知っているという信越地方にある名峰の中腹にある山小屋の前で撮られたものでした。
母の入っている山岳会のメンバーが、山小屋を発とうと山小屋の前に集まっているところを撮ったとのことで、ちょうど写真の中央に母が写っており、それで撮影した仲間が写真をくれたとのことでした。
山小屋を後ろに母を含め5人くらいの中高年男女が写り、山小屋の後ろは森になっています。
何の変哲もないスナップ写真です。
ボケもブレもなく大変綺麗に写っています。
私は、心霊写真あるあるで背景の木々や山小屋の窓、手前の地面などに目をやりましたが、別段変なものは見当たりません。
そんな私に母はいいます。
「違う、私の腰の辺り」。
良く見ると、横を向いて仲間と会話している様子の母の腰に、赤い球形の物が写っています。
いや、写っているというか、どう見ても、大きな風船を母が腰にくっ付けている、そんな様子にしか見えません。
あまりにはっきりくっきり普通に写っているので、大変目立っていたにも関わらず、それが
後日談:
- その後、母には特に何もなく、70歳になる最近まで本格的な登山を続けていました。 今はさすがに本格登山は引退し、近くの手頃な山でハイキングを時折楽しんでいるようです。
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